2025年で初めての年金支給日は2月14日(金)でした。
年金は偶数月の15日に支給されますが、15日が土日・祝日の場合は直前の平日が支給日となるため、2月は14日に支給されました。
日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造で、職種によって受給できる年金の種類や金額が異なります。
この記事では、60歳代・70歳代・80歳代の国民年金と厚生年金の平均月額について詳しく解説していきます。支給日のカレンダーも併せてチェックしていきましょう。
1. 2025年度の公的年金「2.7%の引き上げ」決定。増額後の年金が振り込まれるのはいつ?
2025年1月24日、厚生労働省が2025年度の公的年金額の改定内容を公表。前年(2024年度)から1.9%の引き上げが決まり、3年連続のプラス改定となりました。
1.1 2025年度の年金額
2025年度の年金額
出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
ただし「マクロ経済スライド」によって物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には「年金額は目減りしている」点には注意が必要です。
1.2 増額後の年金が振り込まれるのは「6月」から
この改定率は、2025年6月に振り込まれる「4月・5月分」の年金から適用されます。年金支給日は偶数月の15日。15日が土日祝日の場合、直前の平日となります。
2025年の場合、4月・5月分が支給されるのは、6月13日(金)です。
【一覧表】2025年の年金支給日カレンダー
【一覧表】2025年の年金支給日カレンダー

出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成
支給日:支給対象月
- 2025年2月14日(金):12月・1月
- 2025年4月15日(火) :2月・3月分
- 2025年6月13日(金) :4月・5月分
- 2025年8月15日(金) :6月・7月分
- 2025年10月15日(水) :8月・9月分
- 2025年12月15日(月) :10月・11月分
現役時代は、月に一度の給料日を基準に家計管理をおこなう世帯が多いでしょう。しかし年金生活に入ると定期収入は2カ月に一度となります。そのため、2カ月分の資金を上手に管理するのは、さいしょは難しいと感じる方もいるかもしれませんね。
次では、公的年金(国民年金・厚生年金)の基本や、今のシニア世代の年金事情を紹介します。
2. 公的年金「国民年金+厚生年金」のきほんを整理!
日本の公的年金は「国民年金(基礎年金)と厚生年金」の2階建て構造となっています。
2.1 「国民年金+厚生年金」のきほん:日本の公的年金制度は2階建て
2.2 1階部分:国民年金(基礎年金)
国民年金は「基礎年金」とも呼ばれる、年金制度のベースとなる部分。日本に住む「20歳から60歳未満の全員」に、原則として加入義務があります。
国民年金保険料は全員一律です。40年間欠かさず納付した場合、65歳以降で国民年金(老齢基礎年金)の満額が受け取れます(※)。
※国民年金保険料と、国民年金(老齢基礎年金)の満額
毎年見直しがおこなわれます。国民年金保険料の月額は2024年度1万6980円、2025年度1万7510円。国民年金の満額は、2024年度6万8000円、2025年度6万9308円です。
2.3 2階部分:厚生年金は誰が受け取れる?
厚生年金は、会社員や公務員、また一定の要件を満たすパート・アルバイトの方が、国民年金に上乗せして加入する「2階部分の年金」です。
厚生年金保険料は、給与や賞与に応じて決定される「標準報酬月額」と「標準賞与額」をもとに計算されます(※)。そして、将来受け取る老齢厚生年金の額は、納付した保険料の総額に応じて決定されます。
標準報酬月額と標準賞与額にはそれぞれ上限が設けられていますが、一般的には「長く働き、多く稼いだ方」ほど、老後の年金受給額は増加する仕組みとなっています。
※標準報酬月額・標準賞与額とは?
標準報酬月額とは「給与を区切りの良い幅で区分した等級の金額」、標準賞与額とは「賞与から千円未満を切り捨てた金額」です。(2025年2月現在の上限額は、標準報酬月額65万円、標準賞与額150万円)
次では今のシニア世代が受け取る公的年金の「各年齢における平均月額」を、1歳刻みで見ていきましょう。
3. 【最新版 年金一覧表】厚生年金「60歳~89歳」の平均月額はいくら?《1歳刻みでチェック》
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から「60~89歳」の各年齢の平均年金月額を見ていきましょう。
まずは厚生年金から。なお、以下の厚生年金の年金月額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれています。
3.1 【最新版 年金一覧表】厚生年金「60歳~69歳」の平均月額はいくら?《1歳刻みでチェック》
- 60歳:9万6492円
- 61歳:10万317円
- 62歳:6万3244円
- 63歳:6万5313円
- 64歳:8万1700円
- 65歳:14万5876円
- 66歳:14万8285円
- 67歳:14万9205円
- 68歳:14万7862円
- 69歳:14万5960円
※65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者
3.2 【最新版 年金一覧表】厚生年金「70歳~79歳」の平均月額はいくら?《1歳刻みでチェック》
- 70歳:14万4773円
- 71歳:14万3521円
- 72歳:14万2248円
- 73歳:14万4251円
- 74歳:14万7684円
- 75歳:14万7455円
- 76歳:14万7152円
- 77歳:14万7070円
- 78歳:14万9232円
- 79歳:14万9883円
3.3 【最新版 年金一覧表】厚生年金「80歳~89歳」の平均月額はいくら?《1歳刻みでチェック》
- 80歳:15万1580円
- 81歳:15万3834円
- 82歳:15万6103円
- 83歳:15万8631円
- 84歳:16万59円
- 85歳:16万1684円
- 86歳:16万1870円
- 87歳:16万2514円
- 88歳:16万3198円
- 89歳:16万2841円
厚生年金(※)の平均年金月額は、65歳以降の各年齢で14万円~16万円台となっており、国民年金のみの場合より手厚い金額です。
ただし先述の通り、厚生年金の受給額は加入期間と収入の影響をうけるため、大きな個人差が出やすくなります。また厚生年金の年金月額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれる点にも注意が必要でしょう。
※厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」の年金月額を紹介しています。
4. 【最新版 年金一覧表】国民年金「60歳~89歳」の平均月額はいくら?《1歳刻みでチェック》
4.1 【最新版 年金一覧表】国民年金「60歳~69歳」の平均月額はいくら?《1歳刻みでチェック》
- 60歳:4万3638円
- 61歳:4万4663円
- 62歳:4万3477円
- 63歳:4万5035円
- 64歳:4万6053円
- 65歳:5万9599円
- 66歳:5万9510円
- 67歳:5万9475円
- 68歳:5万9194円
- 69歳:5万8972円
※65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者
4.2 【最新版 年金一覧表】国民年金「70歳~79歳」の平均月額はいくら?《1歳刻みでチェック》
- 70歳:5万8956円
- 71歳:5万8569円
- 72歳:5万8429円
- 73歳:5万8220円
- 74歳:5万8070円
- 75歳:5万7973円
- 76歳:5万7774円
- 77歳:5万7561円
- 78歳:5万7119円
- 79歳:5万7078円
4.3 【最新版 年金一覧表】国民年金「80歳~89歳」の平均月額はいくら?《1歳刻みでチェック》
- 80歳:5万6736円
- 81歳:5万6487円
- 82歳:5万6351円
- 83歳:5万8112円
- 84歳:5万7879円
- 85歳:5万7693円
- 86歳:5万7685円
- 87歳:5万7244円
- 88歳:5万7076円
- 89歳:5万6796円
国民年金(老齢基礎年金)の年金月額は、65歳以降の受給開始年齢にかかわらず、およそ5万円台です。60歳から64歳までの繰上げ受給を選択した場合は、受給開始を早めた期間に応じて減額率が適用されるため、平均年金月額はさらに低くなっていますね。
国民年金のみで生活する場合、貯蓄や資産運用などで老後資金を手厚く準備したり、長く働き続けたり、不労所得源を確保したりしておく必要があるでしょう。
ただし、公的年金等の収入額とその他の所得が一定基準額以下の場合には、「年金生活者支援給付金」の支給対象となる可能性があります。
近年しばしば実施されている「住民税非課税世帯対象の給付金」などの一時的な給付金とは異なり、受給要件に当てはまる限り、継続的に受け取ることができる支援です。次で詳しく見ていきましょう。
5. 低年金世帯なら対象かも?「年金生活者支援給付金」を知っていますか?
年金生活者支援給付金は、「老齢年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受給している人のうち、要件を満たした人を対象とする給付金です。2カ月に一度、年金に上乗せして支給されます。
3種類ある年金生活者支援給付金のうち、今回は高齢者世帯とかかわりが深い「老齢年金生活者支援給付金」にフォーカスして整理します。
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の要件すべてを満たす人です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの人は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた人で78万9300円を超え88万9300円以下である人、昭和31年4月1日以前に生まれた人で78万7700円を超え88万7700円以下である人には「補足的老齢年金生活者支援給付金」の支給対象となります。
老齢年金生活者支援給付金は、年度ごとに改定される給付基準額を基に、保険料納付済期間等に応じて支給額が計算されます。
2024年度の給付基準額は月額5310円です。2025年度分については、2024年の物価変動率に基づき2.7%引き上げられ、月額5450円となりました。
年金生活者支援給付金の支給対象となる方は、日本年金機構から請求書が郵送されます。必要事項を記載して提出しないと受給できませんので、ご注意ください。
6. 【まとめにかえて】FPからのアドバイス
国民年金や厚生年金の金額は、人それぞれ違います。
年金収入が一定以下なら「老齢年金生活者支援給付金」が支給されますが、大きく生活が変わるほどの額ではありません。
年齢を重ねると働く場所も限られ、収入が減るのは避けられません。
そのため、現役のうちから老後資金を準備しておくことが大切です。
最近では、NISAやiDeCoなどの制度を利用してコツコツ資産を増やす人もいれば、安全志向で銀行預金を選ぶ人もいます。
「まだ老後資金の準備をしていない…」という方も、この記事をきっかけに自分に合った方法を考えてみませんか?将来の安心のために、今から一歩ずつ始めてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
長井 祐人
