住宅ローンの金利が上昇傾向にある昨今、変動金利で融資を受けている方や、これからマイホームの購入を考えている方にとって、将来的な返済額の動向は非常に気になる問題でしょう。
毎月の返済額がどのように変化するかは、今後の家計管理やライフプランを組み立てる上での重要な鍵となります。
そこで今回は、ローン残高2000万円、残り返済期間20年、現在の金利0.7%という具体的な条件を設定し、金利が1%上昇した場合の影響を試算します。
将来に向けた確実な資金計画を立てるための参考にしてみてください。
1. 先行して動く固定金利の現状とは?フラット35の水準を確認
変動金利の今後の動きを予測する上で、先行して変動する特徴を持つ固定金利の動向を把握しておくことは非常に有意義です。
ここでは、日本の住宅ローンにおける固定金利の代表的な指標である「フラット35」の金利推移を見てみましょう。
現在の市場動向を反映し、固定金利の推移をチェックすると、全体的に金利が上昇傾向にあることが読み取れます。
直近の具体的なデータによると、フラット35の金利水準は最低が2.71%、最高が5.15%となっています。
2. 金利が1%上がるとどうなる?月々の返済額がいくら増えるかシミュレーション
シミュレーション結果2/2
LIMO編集部作成
- ローン残高:20,000,000円 (2,000万円)
- 残り返済期間:20年
- 現在の金利:0.7%
- 金利上昇幅:+1%
- 現在の月々返済額:89,327円
- 上昇後の月々返済額:98,360円
- 月々の負担増:9,033円
- 返済額の上昇率:10.1%アップ
※元利均等返済
上記の条件で試算を行うと、現在の金利である0.7%から1%上昇して1.7%になった場合、毎月の返済額は89,327円から98,360円へと変化します。
これは月々で9,033円の負担増となり、返済額の上昇率に換算すると10.1%アップという大きな変化になります。
3. 変動金利の急激な変化を和らげる「5年ルール」と「125%ルール」とは
変動金利型の住宅ローンを検討・利用する際に、必ず理解しておきたい仕組みが「5年ルール」と「125%ルール」です。5年ルールとは金利が変わっても5年間は毎月の返済額を維持する仕組みであり、125%ルールとは6年目以降に返済額が見直される際もこれまでの1.25倍を上限とする仕組みを指します。
3.1 メリット
これらのルールが適用される最大の利点は、市場金利が急激に跳ね上がったとしても、毎月の支出額が突如として激変しない点です。
子どもの教育費や他のライフイベントが重なる時期であっても家計のやりくりを安定させやすく、中長期にわたる確実な返済計画が立てやすくなります。
3.2 デメリットと未払利息の注意点
一方で、毎月の返済額が一定に抑えられているからといって、金利上昇による利息負担そのものや総返済額が減少するわけではない点に注意が必要です。
仮に金利が大幅に上昇した場合、毎月支払うお金のすべてが利息の返済へと充当されてしまい、ローン元金が全く減らなくなる状態に陥ることがあります。
その結果、本来支払うべきだった利息が「未払利息」として徐々に積み重なっていき、最終的な返済日に一括で請求される事態を招きます。
これにより、老後のための大切な資産を失ってしまったり、最悪の場合は住み慣れた自宅の売却を余儀なくされたりするリスクをはらんでいます。
3.3 ルールの有無の確認
この2つのルールは、毎月の返済額が一定となる「元利均等返済」を選択している場合のみが対象となり、「元金均等返済」には適用されません。
さらに、金融機関によっては最初からこれらのルールを採用していないケースもあるため注意が必要です。
ルールが存在しない金融機関の場合、金利が上昇すればダイレクトに毎月の返済額へ反映されますが、一方で未払利息が蓄積される心配はありません。
そのため、住宅ローンの契約を結ぶ前には、これらのルールが適用されるかどうかを必ず事前に確認しておくことが大切です。
4. まとめ
今回のシミュレーション条件(ローン残高2,000万円・残り20年・現在の金利0.7%)の場合、変動金利が1%上昇すると、月々の返済額は9033円増加します。
4.1 固定金利への切り替えに伴う「デメリット」と「メリット」
一般的に、住宅ローンの金利水準は変動金利よりも固定金利の方が高く設定されているため、固定金利へ切り替えることで毎月の返済額が増えてしまうデメリットは避けられません。
しかし、固定金利への移行には、それを補うだけの大きなメリットも存在します。
まず挙げられるのが「返済額の安定」であり、毎月の支払額が最終日まで確定するため、日々の金利変動に一喜一憂する必要がなくなります。
さらに「家計管理のしやすさ」も向上し、将来的な負担増のリスクをはじめから排除できるため、長期的な視点でのライフプランが格段に立てやすくなります。
4.2 固定金利へ切り替えるべきかの判断基準
実際に変動金利から固定金利へと切り替えを行うべきかどうかは、各家庭の現在の収支バランスや手元の資産状況、これからのライフプランによって大きく異なります。
まずは、将来的に金利が上昇した事態を想定し、その負担増によって家計が破綻しないかを事前にシミュレーションしておくことが重要です。
あらかじめリスクを具体的に把握し、適切な備えを行っておくようにしましょう。
【免責事項】
本記事に掲載されている情報やシミュレーション結果は、試算条件に基づく一例であり、将来の金利動向や特定の金融商品の勧誘を保証・目的とするものではありません。実際の融資条件、金利、および返済額は金融機関や個人の契約状況によって異なります。住宅ローンの選択や契約に際しては、必ず各金融機関の最新の規定や情報を確認し、ご自身の責任においてご判断ください。