2. 年金額を増やす方法3選
それでは次に、年金の受取額を増やす代表的な方法を3つご紹介します。年金の受給額は、主に「加入期間の長さ」「支払った保険料の金額」「受給開始年齢」によって決定をします。これらの3つの要素で年金額を増額する方法を、1つずつご説明します。
2.1 加入期間を延ばす
年金の受給額は、年金保険料の納付期間が増えるとその分増額されます。国民年金は、加入上限期間が40年間ですが、厚生年金は70歳まで加入することができます。
そのため、60歳以降も厚生年金に加入する働き方を続けることで、将来の年金受給額を増やすことができます。
2.2 加入期間中の報酬を上げる
年金の受給額は、厚生年金加入期間の報酬額を元に計算されるため、加入期間の報酬額によっても変化します。月額報酬が増額すると、その分受け取ることができる年金額が増額します。
そのため、厚生年金加入期間に働いて給与などの報酬額を上げることで、将来の年金受給額を増額することができます。
2.3 年金の繰下げ受給
現在の日本では、原則として65歳から老齢年金の支給が開始されます。
しかし、受給開始を繰り下げることで、1ヶ月につき0.7%の増額をすることができる「年金繰下げ制度」があります。繰下げは最長で75歳まですることができるため、最大で84%の増額をすることが可能です。
3. おわりに
老後の生活設計をするためには、実際に年金支給額の額面だけでなく、税金や保険料が天引きされた後の振込額を意識することが重要です。手取り額と生活費を検討した際に、老後の生活が苦しくなるような試算になる場合は、年金額を増やせるような方法を検討する必要があります。
年金の仕組みを理解した上で試算を行い、充実した老後の生活設計をしていきましょう。
参考資料
- 内閣府「令和6年版 高齢社会白書」
- 国税庁「公的年金等の源泉徴収事務」
- 東京都主税局「個人住民税」
- 江戸川区「国民健康保険料の計算方法」
- 東大阪市「後期高齢者医療保険料の決め方(計算方法 減額(軽減・減免) 途中加入・脱退の場合)」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
斎藤 彩菜