1. 老齢年金から控除されるお金
老齢年金とは、所定の年齢になった際に国から支給される老齢基礎年金と老齢厚生年金を総称したものです。この年金が振り込まれる際、その全額が手元に残るわけではなく、必要な税や保険料が差し引かれます。
老齢年金から控除される4つの費用について順を追って説明していきます。
1.1 所得税
老齢年金から控除されるお金の1つ目が、所得税です。
所得税とは、1年間の所得金額に応じて決定する個人ごとに徴収される税金です。所得税は、1年間の所得に応じて課税される税金で、年金収入は「雑所得」として扱われます。毎月の年金からは、概算の所得税が源泉徴収されます。
【所得税の計算方法】
- 年金収入から健康保険料などを差し引き、課税所得を算出します。
- 課税所得に税率を適用して所得税額を決定します。
※所得税の税率は5.105%。 - 毎月の受給額から控除されるのは概算の所得税で、年間の税額を精算するために原則として確定申告が必要です。
※一定の条件により、確定申告が不要となる場合もあります。
1.2 住民税
年金から控除されるお金の2つ目は、住民税です。住民税は前年の所得に基づいて市町村により決定されます。課税金額の計算や税率などの詳細は自治体により異なる部分もありますが、基本的な流れは以下の通りです。
【住民税の計算方法】
- 前年の年間収入から各種控除額を引いて課税所得を算出します。
- 課税所得に税率(10%程度)を適用して所得割額を計算し、そこに均等割額を加えて住民税額を決定します。
- 住民税は前年の収入合計を基に計算され、毎年翌6月頃に年間の住民税額の決定通知が届きます。