1.1 高額療養費制度を活用すれば自己負担額30万円が8万円台に?

高額療養費制度とは、1か月間に支払った医療費が一定の基準を超えた場合、その超過分が後から払い戻される仕組みです。

この制度によって、1か月の医療費がどれほど高額になったとしても、自己負担額には「上限」が設けられるため、家計の負担が大幅に軽減されます。

たとえば、70歳以上で年収が約370万円〜770万円の方が100万円分の治療を受けた場合、保険適用後の自己負担額は30万円となります。

しかし、高額療養費制度を利用することで、負担上限を超えた金額が後に返ってくる仕組みです。

なお、以前までは、高額な医療費が発生した際、患者が一旦全額を支払った後に申請を行い、超過分が後日返金されるという流れが一般的でした。

しかし、12月2日から健康保険証とマイナンバーカードが一体化されたことで、この手続きが大幅に簡略化されました。

マイナンバーカードを提示するだけで、その場で高額療養費の限度額を超える支払いが免除されるようになり、患者の負担がさらに軽減される仕組みが整えられています。