4. 円滑な相続の実現に向けて早めの準備を!
近年は世帯の多様化が進み、高齢の単身世帯の増加が社会問題になっています。また、都市部では核家族世帯が多く、地方に住む親族との関係性が希薄化する傾向にあります。
家族や親戚同士でも日頃のコミュニケーションが少ないと、急な相続が発生した場合、話し合いがうまく進まない可能性もあります。とくに代襲相続があると、このような傾向がしばしばあり、トラブルも発生しがちです。
トラブルを回避するためには、被相続人の口座から安易にお金を出金することは控え、相続に関する基本的な事柄もしっかりと理解しておくことが大切です。
場合によっては、相続に関する行政サービスなどを利用することも検討してみましょう。
一方、資産を残す方の立場としては、円滑な相続が実現するよう、できる範囲内で準備を進めておきたいものです。財産目録の作成や、遺言信託、生命保険の活用も検討してみましょう。
とくに生命保険に関しては、死亡保険金を死後の整理資金として活用することができます。手続きの早い保険会社であれば、保険金が1週間以内に支払われる場合もあり、銀行口座凍結の影響を最小限にとどめることもできます。
保険金は受取人固有の財産になるため、相続資産にはなりません(被相続人が保険料を負担していた契約については、みなし相続財産となります。)。分割協議の必要もないので、お金を渡したい人(配偶者や2親等以内の血族※)を受取人にすれば、お葬式代などとして活用することもできるでしょう。
※保険会社によっては、3親等以内の血族とする場合もあります。