円安や物価上昇の影響が、多くの家計を直撃するこんにち。
日本銀行「「生活意識に関するアンケート調査」(第100回<2024年12月調査>)の結果」でも、「前年と比べて景況感が悪くなった」と感じる方が増えています。
その一方で「富裕層」と呼ばれる資産家たちの数は、実は増えているというデータがあるのです。
今回は野村総合研究所の最新レポートをもとに、日本の富裕層のリアルに迫ります。
1. 【富裕層】1億円超の「富裕層世帯」は2005年以降最多に
2025年2月13日、野村総合研究所が公表したニュースリリースでは、2023年の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模の推計結果を見ることができます。
この調査では、純金融資産の保有額に基づき、マス層(3000万円未満)から超富裕層(5億円以上)までの世帯を分類し、それぞれの世帯数や資産状況が示されています。
- マス層(3000万円未満)
- 準富裕層(3000万円以上5000万円未満)
- 富裕層(5000万円以上1億円未満)
- 超富裕層(1億円以上5億円未満)
- 超富裕層(5億円以上)
このうち「富裕層」と「超富裕層」を合わせた世帯数は165万3000世帯に達し、全世帯の約3%を占めることが分かりました。
この合計世帯数は、推計が開始された2005年以降で最多に。富裕層・超富裕層それぞれの世帯数も2013年以降、継続的に増加傾向にあるとされています。
1.1 【一覧表】富裕層の世帯数と純金融資産保有規模
※カッコ内は前回調査(2021年)の結果
※純資産額とは、保有する資産から負債を差し引いた金額のこと
- 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯・135兆円(9万世帯/105兆円)
- 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯・334兆円(139万5000世帯/259兆円)
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000円・333兆円(325万4000世帯/258兆円)
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯・282兆円(726万3000世帯/332兆円)
- マス層(3000万円未満):4424万7000世帯・711兆円(4213万2000世帯/678兆円)
また、富裕層と超富裕層が保有する資産の合計は、前回調査より約3割ほど増加し469兆円となりました。
全世帯の保有資産額の26.1%が、この2つの層に集中していることが分かります。