2.3 65歳以上世帯の収支のバランス
ここまで見てきた生活費と年金受給額の平均で考えた場合、生活費(消費支出)の平均額が約25万円、年金受給額の手取りが約21万円となるため、毎月の収支バランスはおよそマイナス4万円です。
マイナス部分においては、貯蓄を取り崩すか、マイナス部分をなくすために収入を増やす、もしくは支出を減らすということが必要です。
あくまでもこれは平均値であるため、重要なのは月々のご自身の世帯の収支バランスを考えてしっかりと理解をしておくことです。
65歳以降を十分に過ごすために、そこまでにいくらを貯蓄しなくてはいけないのか、または生活費をどのようにしていかなければいけないのか、といったことをきちんと考えておくことで、充実した老後生活の助けになります。
3. まとめにかえて
65歳以上の無職夫婦世帯にとって、老後の生活費と収入のバランスを考えることは、充実した老後生活を送るために非常に重要です。老後は収入が増加することがほとんどないため、保有している貯蓄と年金収入で生活を賄う必要があります。
そのため、世帯の支出が月々いくら程度で、どのような支出が多く掛かっているかなどを理解することで、老後の生活を安心して過ごせるようになります。
収入と支出のバランスを考えながら、ご自身の状況に合った老後生活設計を立ててみてください。将来の生活設計に不安を感じる場合には、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に助言を求めるのも選択肢のひとつです。
参考資料
- 内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)1 高齢化の現状と将来像」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編」2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
斎藤 彩菜