令和7年1月24日、厚生労働省は令和7年度の年金額改定について発表しました。

2025年度の年金額は前年度比1.9%の引上げとなっており、年金額が増えることは、生活の助けになるという家庭もあるでしょう。しかし、年金の増額率が物価の上昇率には追いついていないため、実質的には年金額が目減りしているのが現状です。

最近では資産運用を活用して資産形成を始める人が増えてきているように感じます。特に、2024年からNISA制度が改定され、より多くの人が関心を持つようになりました。

今回は、新NISAを使って毎月5万円を積み立てた場合、15年後にどれくらい資産が増えるのかを、運用利回り別にシミュレーションしてみたいと思います。

1. 【2024年からバージョンアップ】新NISAの制度をわかりやすく解説

NISA(ニーサ)は、2014年に資産形成をサポートする目的で設けられ、2024年には「新NISA」として刷新されました。

この制度の最大の魅力は、投資によって得た利益が非課税になることです。

通常、資産運用によって得られる利益や配当金には約20%の税金が課せられますが、NISAを利用すれば、税金を気にせずに利益をそのまま享受することができます。

【写真全4枚中1枚目】新NISA「非課税」のしくみ、2枚目以降で、新NISAの特徴や、積立投資シミュレーション結果を見る!1/5

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

次に、NISAの具体的な特徴についてさらに詳しく見ていきましょう。

1.1 【一覧で確認】新NISAの特徴とは?

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/5

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

新NISAの特徴を以下にまとめます。

  • 非課税保有期間は無期限
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用可能
  • 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  • 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  • つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  • 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

さらに、500円や1000円といった少額から投資できる商品が提供されている点も大きな特徴で、投資初心者でも気軽に始めやすい環境が整っています。

従来、投資を始めるにはある程度の資金が必要だという認識がありましたが、NISAの登場により、そのハードルが下がったと言えるでしょう。

では、毎月積立投資を行った場合、どれくらいの資産を形成できるのでしょうか。

2. 50歳から65歳の間に「毎月5万円」を積立投資!

新NISAを活用した積立投資で、どれくらいの資産を築けるかについて関心を持っている方は多いでしょう。

積立額と利回りの違いによって結果は異なりますが、本章では以下の条件のもと毎月5万円を積み立てる前提で、利回りを1~5%とした場合のシミュレーションを行ってみます。

  • 積立期間:50歳から65歳までの15年間
  • 積立額:毎月5万円
  • 投資信託商品:「安定的な運用」を重視した想定利回り1~5%の商品

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果3/5

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

2.1 【シミュレーション結果】50歳から65歳の間に「毎月5万円」を積立投資

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間、毎月5万円を積立てた場合、利回り2%以上で1000万円を超える資産を築くことができる可能性があります。

元本は900万円で、運用によって70万~436万円程度の増加が見込まれます。

このような運用成果は、現代の低金利環境では魅力的に映る方も多いかもしれません。

しかし、投資にはリスクが伴うことを忘れてはいけません。

もし5%のリターンを期待するのであれば、その分、5%程度の損失が発生する可能性もあることを十分に理解しておくことが重要です。

3. 65歳までに「2000万円」達成するにはいくら積み立てればいい?

次に、老後資金として2000万円を準備するために必要な「積立金額」についてシミュレーションを行ってみましょう。

50歳から65歳までの15年間、利回り3%の投資信託に投資する場合を前提に、毎月どれくらい積み立てる必要があるかを計算します。

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果4/5

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

3.1 【シミュレーション結果】65歳までに「2000万円」達成するにはいくら積み立てればいい?

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

年利3%で15年間運用した場合、毎月9万円の積立で2000万円以上の資産を築けることが分かります。

15年という限られた期間で老後資金を準備するには、預貯金だけでは難しいものの、運用を活用することでその可能性は広がります。

ただし、毎月9万円という金額は決して少額ではなく、また利回りが保証されたものではないため、目標額に届かないリスクも考慮しなければなりません。

老後資金を積立てていく場合、早期に始めることが重要です。

例えば、30歳から65歳までの35年間で2000万円を目指す場合、年利3%で運用すれば毎月の積立額は約2万6971円となり、この額であれば、現実的に感じる方も多いのではないでしょうか。

上記から、時間をかければかけるほど、毎月の積立額を抑えることができると言えるでしょう。

4. 効率的に資産形成していきましょう

本記事では、2024年から制度が改定された新NISAについて解説してきました。

ゆとりある老後を目指して資産形成をこれから始めようという方も、NISAなどの資産運用を選択肢に加えてみてもいいかもしれません。

しかし、資産運用は元本保証ではなく、資産価値が変動するものです。どの程度のリスクであれば許容できるのかをしっかり理解したうえで、取り入れるかどうかを判断していきましょう。

リスクを抑えるための方法として「分散」の考え方が重要です。「投資対象」「時間」「資産」をそれぞれ分散させてリスクの低減を図りましょう。

5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金Q&Aまとめ5/5

年金Q&A

出所:日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。

5.1 年金の仕組みってどうなってるの?

まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。

国民年金

国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。

毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。

厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。

そのため、個人差が出やすくなっています。

5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?

通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。

たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。

もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。

5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?

繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。

国民年金の付加保険料を払う

自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。

厚生年金に加入する

もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。

資産運用に挑戦

iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。

ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。

これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?

ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。

参考資料