シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内大手総合重機メーカーである川崎重工業です。
川崎重工業の平均年間給与はいくらか
川崎重工業(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 706.7万円と700万円を超えています。また、従業員の平均年齢は38.4歳となっており40歳を下回っています。平均勤続年数は13.5年となっています。
川崎重工業の従業員数は何人か
有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で1万6423名。単体で1万人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。
- 船舶海洋:2035名
- 車両:1562名
- 航空宇宙:3821名
- ガスタービン・機械:2863名
- プラント・環境:1428名
- モーターサイクル&エンジン:2050名
- 精密機械:1530名
- その他:ー名
- 全社(共通):1134名
また、連結の従業員数は3万5805名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- 船舶海洋:2542名
- 車両:3297名
- 航空宇宙:6178名
- ガスタービン・機械:4353名
- プラント・環境:3163名
- モーターサイクル&エンジン:8816名
- 精密機械:3420名
- その他:2902名
- 全社(共通):1134名
過去5年の業績動向
川崎重工業(連結)の業績推移についても見ておきましょう。
まず、売上高ですが、過去5年をみると概ね増収傾向が続いています。2014年3月期に1兆3854億円であった水準が、2018年3月期には売上高は1兆5742億円となっています。
また、経常利益についてはボラタイルな動きとなっています。2014年3月期には606億円の水準であったものが、2018年3月期には432億円にまで減少しています。
投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益もボラタイルな動きとなっており、2014年3月期には386億円あったものが、2018年3月期には289億円になっています。
今後の注目点
川崎重工業は、「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションとして掲げ、「航空宇宙システム、エネルギー・環境プラント、精密機械・ロボット、交通・輸送」の4分野を主な事業分野として、最先端の技術で新たな価値を創造し、顧客や社会の可能性を切り開く企業グループを目指すことをビジョンとして定めています。
また、中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題として以下の5つを上げています。
- 品質管理体制の総点検
- ROIC経営(企業価値向上)の徹底
- プロジェクトにおけるリスク管理の強化
- 情報通信技術の活用によるものづくり力強化・サービス事業の強化
- 働き方改革とダイバーシティの推進
ICTを活用としたモノづくりの在り方が変わりつつある今、重工業を得意とする同社がどのような事業展開をしていくかに注目です。
まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。
【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。
【ご参考】有価証券報告書とは
日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。
LIMO編集部