3. 年収約600万円で40年間勤めたときの保険料総額

厚生年金の保険料は労使折半で負担し、従業員負担分は次の通り計算します。

  • 保険料(月額)=標準報酬月額(または標準賞与額)×保険料率×1/2

厚生年金保険の保険料率は、段階的に引き上げられており2017年9月以降は18.3%で固定されています。

40年間、標準報酬月額が50万円で保険料率は18.3%であったと仮定して計算すると、保険料総額は次の通りです。

厚生年金の保険料。標準報酬月額50万円の人は月額4万5750円の負担に

厚生年金の保険料。標準報酬月額50万円の人は月額4万5750円の負担に

出所:日本年金機構「厚生年金保険料額表」

  • 保険料総額=50万円×18.3%×1/2×480ヶ月=2196万円

2000万円を超える高額な保険料を支払うことになりますが、老齢年金の受給額が年間213万1440円とすれば、10年と少し受給すれば元は取れます。

65歳に受給開始して85歳まで受給すると、保険料総額の2倍近い年金を受給できることになります。

4. まとめにかえて

一定の前提で試算すると、年収約600万円で40年間勤めた人の老齢年金の受給額と保険料総額は次の通りです。

  • 老齢年金の年間受給額:213万1440円(月額約17万8000円)
  • 保険料総額:2196万円

年収が高い人や厚生年金の加入期間が長い人ほど多くの保険料を負担しなければなりませんが、その代わりに老齢年金の受給額も多くなります。

人生100年時代に向け、しっかりと働いて保険料を納め、多くの年金を受給するのも選択肢のひとつでしょう。

参考資料

西岡 秀泰