3. 年金の平均額から手取り額を試算してみる

前述した年金の平均受給月額「14万6429円」から、実際の手取り額を試算します。この記事では、新宿区在住の67歳の独身の人を例に試算していきます。

なお、試算時に用いる控除や税率については以下のとおりです。

  • 公的年金等控除:110万円
  • 基礎控除(所得税):48万円
  • 基礎控除(住民税):43万円
  • 所得税率(195万円以下):5%
  • 住民税所得割:所得金額×10%
  • 均等割:5000円(森林環境税含む)

年金から差し引かれるお金の合計は、以下のとおりです。

シミュレーション結果(税金&社会保険料)

シミュレーション結果(税金&社会保険料)

出所:東京都主税局「個人住民税」新宿区「保険料の計算方法について」新宿区「介護保険料の決まり方」をもとに筆者作成

  • 所得税:8857円
  • 住民税:2万7715円
  • 国民健康保険料:9万1699円
  • 介護保険料:8万7120円
  • 差し引かれるお金の合計(年額):21万5391円
  • 差し引かれるお金の合計(月額):1万7949円
  • 手取り額(年額):154万1757円
  • 手取り額(月額):12万8480円

月あたり約2万円が税金や社会保険料として差し引かれます。手取り額は12万8480円と、13万円を下回る結果となりました。

年間では21万円ものお金が差し引かれています。税金や社会保険料は年金約1ヶ月半ほどに値する金額になっているのです。比重としては社会保険料の負担が重く、社会保険料だけで年間18万円近い金額を納めています。

では、次章では手取り年金額と生活支出額を比較してみましょう。