2025年を迎え、「新しいことに挑戦したい」と考える人も多いのではないでしょうか。中でも、新NISAやiDeCoは資産形成を始めるきっかけとして注目を集めています。

しかし、制度について十分な理解がないままでは、「本当に始めるべきか、それとも様子を見たほうが良いのか」と迷うこともあるかもしれません。

そこで今回は、元銀行員として企業型DCやiDeCoの講師を務めた筆者が、実際に受講者から聞いたエピソードを交えながら、新NISAやiDeCoに関するヒントをお届けします。

1. 後悔(その1):新NISAとiDeCoを使い分けできていなかった

新NISAのつみたて投資枠やiDeCoは、いずれも投資信託を活用する仕組みで、毎月一定額を積み立てて資産を育てていく制度です。

共通点が多い一方で、制度ごとに特徴や違いもあります。自分の資産運用の目的やライフプランに合わせて使い分けることで、資産設計をよりスムーズに進めることができます。

ここでは、具体例を2つ挙げて、その違いや使い分け方をわかりやすくご紹介します。

1.1 非課税枠の違い

【写真全5枚】手元にお金を用意したいときどうするか 後半で「新NISAとiDeCoの違い」を表でご紹介

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出所:Tatsiana Khamitskaya/shutterstock.com

非課税枠は、新NISAとiDeCoでは異なります。

新NISAのつみたて投資枠の非課税投資枠は毎年120万円で、すべてつみたて投資枠で行った場合には、合計1800万円まで投資をすることができます。

たとえば、つみたて投資枠で毎年120万円の投資を行った場合に、15年続けると1800万円の枠を使用することができます。

一方、iDeCoは働く職場や働き方によって、月々の掛金上限額が異なります。