厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和6年分結果速報」によると、実質賃金は3年連続で減少しています。物価の上昇が続く一方で手取りがなかなか増えず、日々の生活で節約を意識している人も多いのではないでしょうか。
景気が悪くなっていると感じるかもしれませんが、日本の富裕層世帯は増加傾向にあります。収入や資産の格差が広がる中、富裕層はどのようにお金を使い、資産を増やしているのでしょうか。
今回は、日本にいる富裕層の割合について解説します。さらに、現役世代が資産を増やすために実践できる資産運用のポイントについても紹介します。
1. 富裕層「1億円超の資産家世帯」は2005年以降最多に
出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
野村総合研究所のリリースでは、純金融資産保有額の規模によりマーケットを分類。マス層(3000万円未満)から超富裕層(5億円以上)までの世帯数や資産状況に関するデータを見ることができます。
これによると日本の「富裕層(1億円以上5億円未満)」と「超富裕層(5億円以上)」は合わせて165万3000世帯、全世帯の上位約3%です。
合計世帯数は推計開始の2005年以降最多となり、それぞれの世帯数も2023年以降ずっと増加傾向が続いています。
1.1 【一覧表】富裕層の世帯数と純金融資産保有規模
※カッコ内は前回調査(2021年)の結果
- 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯・135兆円(9万世帯/105兆円)
- 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯・334兆円(139万5000世帯/259兆円)
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯・333兆円(325万4000世帯/258兆円)
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯・282兆円(726万3000世帯/332兆円)
- マス層(3000万円未満):4424万7000世帯・711兆円(4213万2000世帯/678兆円)
また、富裕層と超富裕層が保有する資産の合計は、前回調査より約3割ほど増加し469兆円に。全世帯の保有資産額の26.1%が、この2つの層に集中していることが分かります。
こうした背景には、株価上昇や円安による資産価値の増大、相続による資産移転などがあると同調査レポートでは言及されています。