2024年12月19日にジブラルタ生命が公表した「おひとりさまに関する調査2024」によると、おひとりさまの貯蓄状況の平均は「677万」という結果でした。昨今の物価高もあってか、2022年の同調査の平均であった「707万円」からは減少傾向となっているようです。
最も多かった金額帯は、「なし(0万円)」で25.3%、反対に5000万以上の貯蓄がある人は3.4%という結果となっています。
上記はあくまでも独身の方の貯蓄額についてのデータになりますが、資産5000万以上の準富裕層・富裕層の割合は日本全体としては増え続けているという実態があります。皆さんの中にも、富裕層やFIRE(「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の略)を目指している人も多いのではないでしょうか。
本記事では国内における富裕層の割合や、富裕層に共通するお金の使い方にまつわるポイントについて解説していきます。
1. 【富裕層】純資産1億円超の世帯は2005年以降最多に
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、2002年の平均所得額は602万円、中央値は485万円でした。これに対し、2023年は平均が524万000円、中央値が405万円となっており、この20年程度で減少していることが分かります。
一方で、全体的な所得が伸び悩む中でも、いわゆる「富裕層」と呼ばれる資産家層は着実に増えています。
2025年2月13日、野村総合研究所が公表したニュースリリースから、その詳しいデータを見ていきましょう。
1.1 【富裕層】1億円超の資産家世帯は2005年以降最多に
2025年2月13日、野村総合研究所が公表したニュースリリースでは、2023年の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模の推計結果を見ることができます。
この調査では、純金融資産の保有額に基づき、マス層(3000万円未満)から超富裕層(5億円以上)までの世帯を分類し、それぞれの世帯数や資産状況が示されています。
この調査では、純金融資産保有額に応じて世帯を以下の5つの層に分類しています。
- マス層(3000万円未満)
- 準富裕層(3000万円以上5000万円未満)
- 富裕層(5000万円以上1億円未満)
- 超富裕層(1億円以上5億円未満)
- 超富裕層(5億円以上)
このうち「富裕層」と「超富裕層」を合わせた世帯数は165万3000世帯に達し、全世帯の約3%を占めます。また、富裕層予備軍ともいえる「準富裕層」は403万9000世帯。いずれも増加傾向にあります。
1.2 【一覧表】富裕層の世帯数と純金融資産保有規模
- 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯・135兆円(9万世帯/105兆円)
- 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯・334兆円(139万5000世帯/259兆円)
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯・333兆円(325万4000世帯/258兆円)
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯・282兆円(726万3000世帯/332兆円)
- マス層(3000万円未満):4424万7000世帯・711兆円(4213万2000世帯/678兆円)
※カッコ内は前回調査(2021年)の結果
※純資産額とは、保有する資産から負債を差し引いた金額のこと
富裕層と超富裕層が保有する資産の合計は、前回調査より約3割ほど増加し469兆円になりました。日本の全世帯の保有資産額の約4分の1が、富裕層と超富裕層に集中しているのです。