物価高が続く現代において、日常生活が厳しく感じる世帯も少なくありません。

そのような状況の中、低所得者や年金生活世帯を支援するための給付金制度が設けられています。現在、住民税非課税世帯に対して「1世帯あたり3万円」の給付が実施されています。

では、どのような方がこの給付の対象となるのでしょうか。

本記事では、住民税非課税世帯への給付金の概要や、非課税世帯に該当する要件について詳しく解説していきます。給付の対象となるか気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。

1. 【2024年度補正予算】住民税非課税世帯への「3万円給付」が進行中

記者の質問に答える石破茂首相1/5

記者の質問に答える石破茂首相

出所:首相官邸「令和6年度補正予算成立等についての会見」(2024年12月17日)

2024年12月に成立した「2024年度補正予算」には、物価高への対策として住民税非課税世帯への給付金の支給が盛り込まれています。

まずはその概要を整理しましょう。

1.1 住民税非課税世帯への「3万円給付」子育て世帯には加算も

今回の給付金は、1世帯あたり3万円を基本の給付額とし(※1)、そのうち子育て世帯には、子ども1人あたり2万円が加算されます(※2)。

この給付金は、お住まいの自治体によってホームページでの呼称は、下記のようにさまざまです。

  • 東京都江東区:江東区物価高騰重点支援給付金
  • 東京都練馬区:令和6年度第2回物価高騰対策給付金
  • 千葉県千葉市:価格高騰重点支援給付金
  • 埼玉県川口市:令和6年度川口市住民税非課税世帯支援給付金

また、申請方法や給付されるまでのスケジュールは市町村ごとに異なります。お住まいの自治体の最新情報を確認しましょう。

※1:給付額の考え方

2人以上の低所得世帯の消費支出の増加幅(食料品、エネルギー価格高騰によるもの)のうち、賃上げや年金物価スライド等で賄いきれない金額として、3万円を支援。子育て世帯については、1人あたりの給付額1.5万円(3万円÷2人)をカバーする水準として、子供1人あたり2万円を加算。

引用:内閣府特命担当大臣「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~政策ファイル(2024年11月)

※2:こども加算分の対象となる児童とは

  • 18歳以下(平成18年4月2日以降生まれ)の児童
  • 基準日時点で別世帯であるが、生計を同一にしている18歳以下(平成18年4月2日以降生まれ)の児童
  • 基準日の翌日以降に生まれた新生児

引用:東京都大田区「令和6年度大田区物価高騰重点支援給付金のご案内

2. 横浜市《物価高支援給付金》支給対象や申請期間など

一例として、神奈川県横浜市のホームページをもとに、具体的な申請方法やスケジュールのイメージをつかんでいきましょう。

※下記にご紹介する内容は、あくまでも横浜市の例です。

2.1 横浜市:支給の対象となる世帯

次の2つの条件を満たす必要があります。

  • 2024年12月13日時点で横浜市に住民登録があること
  • 世帯全員が2024年度住民税均等割非課税であること

※上記2つの条件を満たしていても、住民税が課税されている方の扶養親族等のみからなる世帯(親元を離れて暮らしている学生、単身赴任中の方と離れて暮らしている家族など)は支給対象外。

2.2 横浜市:給付金の申請・受給ができる人

  • 住民登録(住民票)の世帯主

※世帯主以外の方が申請手続きや受給をする場合は、世帯主からの委任が必要。

2.3 横浜市:申請期間

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出所:横浜市「横浜市物価高支援給付金のご案内

「確認書」「申請書)」が届く世帯→手続きが必要

  • 申請期間:2025年2月12日(水曜日)から2025年年5月30日(金曜日)【必着】
  • 支給開始日:審査が完了次第、順次支給

「支給のお知らせ」が届く世帯→手続きは不要

  • 申請期間:申請不要
  • 支給開始日:2025年3月7日(金)以降、順次支給

2.4 支給方法・支給時期

原則、金融機関の口座への振込みで支給

「支給のお知らせ」が届いた方の場合

  • 「支給のお知らせ」に記載の金融口座へ、2025年3月7日(金)から順次振り込み

「確認書」または「申請書」で申請された方の場合

  • 給付対象であり、書類や記入事項に不備がない場合、申請受付から1カ月程度で振り込み

さて、「住民税非課税世帯」は、公的支援の対象としてしばしば取り上げられる区分です。今回の給付金をはじめ、さまざまな支援策で出てきますね。次ではその内容を詳しく確認していきましょう。

3. 「住民税非課税世帯」とは《均等割・所得割ともに支払いが免除となる世帯》

《住民税のキホン》均等割・所得割ともに支払い免除=「住民税非課税」4/5

個人住民税のしくみ

出所:総務省「個人住民税

住民税は、自分が住む市区町村や都道府県に納める税金で、地域の公共サービスやインフラ整備の財源として使われます。個人住民税は下記の二つに分かれています。

均等割:所得に関係なく一律で課税

  • 均等割の標準税率(年額):市町村民税3000円+道府県民税1000円(2024年度からは森林環境税1000円が上乗せ)

所得割:所得に応じて税額が決まる

  • 所得割の標準税率:市町村民税6%+道府県民税4%

このしくみにより、それぞれの収入に応じた負担額が決まるのです。さらに低収入で支払いが難しい世帯は「住民税非課税世帯」に区分され、所得割と均等割ともに納付が免除されます。

次では、この「住民税非課税世帯」に該当する所得・収入の目安についても見ていきます。

4. 住民税非課税世帯となる収入目安はどのくらい?

住民税非課税世帯となるのは「生活保護を受けている」「障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下である」、そして「前年の所得が各市町村などの基準を下回る」のどれかに当てはまるケースです。

所得の目安については、市町村ごとに異なるため、以下では東京23区の例を取り上げて整理してみましょう。

4.1 住民税非課税世帯となる《所得の目安》東京23区の例

「住民税非課税世帯」に該当する所得の目安(東京23区)

東京23区で住民税非課税世帯となる所得の目安

出所:東京都主税局「個人住民税

 

東京23区内では、同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合は「35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下」、同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合は「45万円以下」が、住民税非課税となる所得基準となります。

ただし「所得」は「収入」から必要経費や各種控除を差し引いた後の金額です。次では「年収ベース」での基準についても見てみましょう。よりイメージしやすくなるかもしれません。

4.2 住民税非課税世帯となる《所得の目安》東京都港区の例

東京都港区における住民税非課税世帯の年収条件5/5

港区における住民税非課税世帯の年収条件

出所:港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」

東京都の港区のホームページをもとに「所得45万円以下」を年収換算した結果を見てみましょう。収入の種類によって、以下のようになります。

  1. アルバイトやパート:給与収入が100万円以下
  2. 65歳以上で年金受給のみ:年金収入が155万円以下
  3. 65歳未満で年金受給のみ:年金収入が105万円以下
  4. 不動産収入等所得:収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下

アルバイトやパートで得た給与収入が年間100万円以下であれば、住民税非課税世帯の基準を満たす可能性があります。

また、年金収入のみの場合、65歳以上であれば年金収入が155万円以下、65歳未満の場合は105万円以下であれば非課税の対象となります。不動産収入などその他の所得については、収入から必要経費を差し引いた後の合計所得が45万円以下であることが基準となります。

5. 自治体の最新情報をチェックしておこう

本記事では、給付金の対象となる「住民税非課税世帯」について解説しました。  

自治体の情報は随時更新されているため、最新の情報に注目しながら適切に活用していくことが重要です。   

また、人生100年時代といわれる現代では、生活費だけでなく、老後の医療費や介護費などの負担も増えていくことが予想されます。給付金を上手に活用することはもちろん、自助努力によって生活の安定を図ることも大切です。  

税制優遇を受けられる制度にはさまざまな種類がありますが、どの制度が適しているかは人それぞれ異なります。なぜなら、収入や家計状況によって、最適な対策は変わってくるからです。  

まずは、ご自身の状況をしっかりと把握し、物価上昇や税負担の対策を検討していきましょう。

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