4. 年金だけだと少ない?年金受給額の実態
給付金が用意されているということは、年金受給額の実態は少ないのかと気になるものです。
厚生労働省が2024年12月に公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、国民年金と厚生年金の平均年金月額を見てみましょう。
4.1 国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
4.2 厚生年金(老齢厚生年金)の平均受給額
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金の金額を含む
国民年金は男女ともに5万円台、厚生年金は全体の平均額が14万円となっています。
ただし、厚生年金では男女差が約6万円あります。
これはもちろん性別で年金額が決まるというわけではなく、現役時代の働き方が影響するという性質上、結果的に「会社員として働く期間が短い・収入が少ない」という傾向にある女性の年金額が低くなったと考えられます。
現在のシニア世代においては、女性が結婚や出産を機に退職するケースが多く、加入期間が男性に比べて短いことが一般的でした。
今後は共働き世帯が増えていることもあり、年金の男女差は徐々に埋まっていくのではないでしょうか。また、賃金自体も男性より低いことが多いため、結果として年金額に差が生じています。
ねんきんネットなどのサービスを利用すれば、自分の年金見込み額を簡単にチェックすることができます。将来の生活設計に備えて、早めに確認しておきましょう。
5. まとめにかえて
年金生活者支援給付金の基準額が、2.7%増額することが決まりました。
継続的に対象となる方は、6月支給分から増額となります。一方、2025年度に新たに該当する人の場合、早くとも12月支給分からの上乗せとなるでしょう(新たに年金を受給する人以外)。
年金額の実態も見ていきました。老後資金がどれほど必要になるかは、年金やその他の収入、支出額によって異なります。
一度シミュレーションしてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
大庭 新太朗