2024年11月22日に閣議決定された総合経済対策により、住民税非課税世帯への給付金支援についての詳細が各自治体から続々と公表されています。同じく2024年7月にも、住民税非課税世帯を対象にした給付金の支援が実施されたばかりです。

そこでこの記事では、総合経済対策に伴う給付金の概要と詳細を中心に詳しく解説していきます。制度の概要を把握していない方はぜひ参考にしてみてください。

1. 住民税非課税世帯に該当するのはどんな人?

では、住民税非課税世帯に該当するのは具体的にどのような人なのでしょうか。今回は東京都23区を例に、要件や年収目安などを詳しく紹介していきます。

1.1 住民税非課税世帯の要件

【写真全6枚】1枚目/住民税非課税世帯の要件。写真後半では70歳代の貯蓄円グラフを掲載1/6

住民税非課税世帯の要件

出所:東京都主税局「個人住民税」

  • 生活保護法による生活扶助を受けている方
  • 障害者・未成年者・寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は年収204万4000円未満)の方
  • 前年の合計所得金額が自治体の条例で定められている金額以下の方

前年の合計所得金額によって非課税の内容が異なります。所得割と均等割が非課税の世帯、所得割のみが非課税になる世帯に分けて要件を紹介していきます。

【所得割・均等割ともに非課税】

  • 同一生計配偶者または扶養親族がいる場合:35万円×(本人と同一生計配偶者、扶養親族の合計人数)+31万円以下
  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合:45万円以下

【所得割のみ非課税】

  • 同一生計配偶者または扶養親族がいる場合:35万円×(本人と同一生計配偶者、扶養親族の合計人数)+42万円以下
  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合:45万円以下

なお、補足として個人住民税の所得割は所得金額に合わせた負担を求められる税金のことです。一方で均等割とは、所得に関係なく一定金額の負担を求められる税金のことです。

前年の合計所得によって非課税になる範囲が異なる点は留意しておきましょう。

1.2 住民税非課税世帯の年収目安

住民税非課税世帯の年収目安2/6

住民税非課税世帯の年収目安

出所:内閣官房「世帯類型別の収⼊⽔準と各措置の対応イメージ」

【給与収入】

  • 単身世帯:〜100万円程度
  • 夫婦子1人(大学生):〜205万円程度
  • 夫婦子2人(小学生):〜255万円程度

【年金収入】

  • 高齢単身:〜155万円程度
  • 高齢夫婦:〜210万円程度

東京都23区における住民税非課税の年収目安は上記の通りです。

給与収入と年金収入で非課税になる年収が異なるほか、世帯人数によっても目安の金額に違いがあります。また、給与収入よりも年金収入の方が非課税になる金額が高い傾向にあるのもポイントです。

今回は東京都23区を例に年収目安を紹介しましたが、居住している自治体によって金額が異なるケースがあります。より正確な金額を把握するため、自治体のホームページを確認しておくのがおすすめです。

2. 住民税非課税世帯給付金の概要

前述した通り、低所得者世帯への3万円給付が決定されました。今回支援が決まった背景としては、物価高騰の影響を受けている食料品やエネルギー支出の増加などが挙げられます。

そのうち、賃金上昇や年金物価スライドといった形で調整することの難しい部分を給付金として賄うことが目的とされています。

2.1 給付金額

  • 1世帯あたり:3万円
  • 子ども1人につき:2万円

例えば、子どもが2人いる住民税非課税なら「3万円(1世帯あたりの給付金)+4万円(子ども1人×2万円)=7万円」が支給される計算になります。

なお、東京都板橋区「令和6年度いたばし生活支援臨時給付金(3万円給付金・こども加算)のご案内」を参照すると、2006年4月2日〜2024年12月13日(基準日)までに生まれた子どもが対象であると記載されています。

2.2 支給対象者

同じく、東京都板橋区の支給対象者を例に挙げて解説していきます。東京都板橋区では、以下の要件に該当する世帯が給付金の対象になっています。

  • 2024年度住民税非課税世帯:同年における世帯全員の住民税が非課税であること
  • 2024年度住民税均等割のみ課税世帯:同年における世帯全員の住民税所得割が非課税であり、世帯員1人以上の均等割が課税であること

上記に加えて、12月13日(基準日)時点で板橋区に住民登録している方が給付金の対象です。一方、ほかの自治体で既に給付金を受け取っている方や、租税条約による住民税の免除を受けている方を含む世帯は対象外になっています。

自治体によっては、公式ホームページにて詳細が公表されていない地域もあるので留意しておきましょう。次章では、住民税非課税に該当する割合が高かった70歳代の平均貯蓄額について解説していきます。

3. 70歳代の平均貯蓄額はどれくらい?

70歳代の平均貯蓄額を単身世帯と二人以上世帯に分けて紹介していきます。なお、今回は金融資産を保有していない世帯を含んだ割合で算出します。

3.1 70歳代単身世帯の場合

70歳代単身世帯の貯蓄円グラフ5/6

70歳代単身世帯の貯蓄円グラフ

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 平均:1529万円
  • 中央値:500万円

3.2 70歳代二人以上世帯の場合

70歳代二人以上世帯の貯蓄円グラフ6/6

70歳代二人以上世帯の貯蓄円グラフ

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 平均:1757万円
  • 中央値:700万円

単身世帯よりも二人以上世帯の方が平均金融資産保有額が200万円ほど高い結果となりました。一方で金融資産非保有に関しては、単身世帯の方が高い割合であることが分かります。

単身・二人以上世帯の70歳代では3000万円以上の金融資産を保有している方も一定数いるため、同じ70歳代でも金融資産保有額に差があることも確認できました。

前述している金融資産には株や債権なども含まれているので、現役世代のうちからコツコツと資産形成に励んでいた方もいると予想されます。

なお、今回は住民税非課税に該当する割合が高かった70歳代に注目して紹介していますが、給付金の対象世帯の要件として金融資産ではなく、合計所得があげられている点はおさえておきたいポイントです。

4. まとめにかえて

総合経済対策に伴う給付金の詳細は、居住している自治体ごとに異なります。自治体によっては公式サイトなどで具体的な内容を公表していない地域もあります。住民税非課税世帯の要件に該当する方は最新の情報に注目しておくのが大切です。

今回の給付金でも申請期限などを設けられる可能性が高いと予想されます。指定された期限内に手続きを行わないと、支援を受けられないケースもあるので注意が必要です。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

湯田 浩平