2. 貯蓄額に大きな差が出る理由を考えてみると?

65歳以上の世帯で貯蓄額に差が出る背景には、主に以下の3つの理由が挙げられます。

2.1 子どもの自立による支出の減少

子どもが大学を卒業し自立すると、養育費や教育費の負担がなくなります。このタイミングで老後資金を集中的に貯めることで、貯蓄を大きく増やすことが可能です。

2.2 退職金の受け取り

公務員や大企業に勤める人は、退職時にまとまった退職金を受け取ることができます。「退職所得控除」による減税効果で税負担も少なく済み、その分貯蓄に回しやすくなります。

2.3 住宅ローンの完済

多くの人が60~65歳で住宅ローンを完済します。これにより、毎月の返済が不要となり、その分を老後資金の貯蓄に充てやすくなります。

若い頃から計画的に貯蓄を進める人もいれば、定年が近い50代から集中的に貯める人もいます。

一方で、物価の上昇により生活費が家計を圧迫し、貯蓄が難しい人も増えています。これが貯蓄額に大きな差を生む要因の一つと考えられます。