2024年10月10日、日本銀行が「生活意識に関するアンケート調査(第99回<2024年9月調査>)の結果」を公表しました。
この調査結果によると、1年前と比べて現在の暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と回答した者の割合は全体の52.7%と半分以上を占めています。
また、支出についても1年前と比べると支出が「増えた」と回答した者は全体の56.4%を占める結果となっていました。
昨今は、物価高の影響で生活コストが上がっているのは周知の事実です。対して、収入が増えたという声はあまり聞きませんよね。
筆者が以前、金融機関で勤務していたときも「生活がカツカツでなかなか貯金にお金をまわせない」という悩みを抱えているお客様は少なくありませんでした。
また、現役世代の方の中には「このまま十分な貯金もできなかったら、老後の生活がやっていけないんじゃないか」と不安の声を吐露する方もいらっしゃいました。
確かに、老後に受け取れる年金額は現役時代と比べてだいぶ下がると聞きます。では、現役世代の私たちが将来受け取れる年金はいくらぐらいなのでしょう?
今回は、現役時代の年収から見る将来の年金額について詳しく解説していきます。
1. 公的年金は「国民年金・厚生年金」の2階建て構造!
まずは、公的年金である「国民年金・厚生年金」の仕組みから、おさらいしておきましょう。
日本の公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」の2種類から構成されており、それぞれの加入対象は以下の通りです。
- 国民年金:日本に住む20歳〜60歳未満の人が加入
- 厚生年金:主に会社員や公務員が加入
上記2つの公的年金は「2階建て構造」となっており、会社員や公務員の場合は「国民年金(1階部分)」に上乗せして、厚生年金(2階部分)が受け取れます。
1階部分の「国民年金」は、保険料が一律で、年度ごとに見直しがあります。
そのため、加入期間と納付月数が同じであれば、すべての加入者が同じ年金月額を受け取ることになります。
一方、2階部分の「厚生年金」は報酬比例制を採用しており、給与などの報酬に基づいて保険料が決まります。
このため、厚生年金の場合は現役時代の年収や加入期間によって、老後の受給額に差が生じやすいのです。
1.1 公的年金「国民年金・厚生年金」の平均月額はいくらが普通?
将来受け取る公的年金の額は、現役時代に加入していた保険が「国民年金」か「厚生年金」かによって大きく異なります。
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金と厚生年金の平均受給額は以下の通りです。
1.2 【国民年金の平均月額】
- 男女全体平均月額:5万6316円
- 男性平均月額:5万8798円
- 女性平均月額:5万4426円
1.3 【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】
- 男女全体平均月額:14万3973円
- 男性平均月額:16万3875円
- 女性平均月額:10万4878円
国民年金は保険料が一律で設定されているため、受給額の差はほとんどありません。
一方で、厚生年金は受給期間や年収に応じて受給額が変動するため、個人ごとの受給額に大きな差が生じています。
将来の年金受給額について詳しく知りたい方は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を利用して確認してみてください。