人生100年時代と言われているなか、物やサービスの値上がりが続いています。
総務省「2020年基準 消費者物価指数 全 国 2025年(令和7年)1月分」によれば、総合指数は前年同月比により4.0%上昇していると発表されました。費目別にみると食材のほか都市ガス代 9.6%、ガソリン 3.9%なども値上がりとなっており、生活費への負担を感じている方も多いでしょう。
このままで老後資金が足りるのか、と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
では、現時点の70歳代の保有資産はいくらなのか、そして厚生年金と国民年金ではいくらもらえているのかを把握し、将来の自分はいったいいくら必要なのか想像しながら見ていきましょう。
1. 【70歳代】夫婦世帯の貯蓄額「平均と中央値」はいくら?
老後の年金生活を支える柱として、貯蓄は重要な役割を果たすでしょう。
金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70代の二人以上世帯の平均貯蓄額は1923万円となっています。
しかし、平均値は一部の富裕層の高額な貯蓄額に影響を受けやすい傾向があります。実態に近い状況を示す中央値を見ると、貯蓄額は800万円まで下がるのです。平均と中央値の乖離は、貯蓄額の世帯差が大きいことを示しています。
1.1 【70歳代】貯蓄額の平均・中央値
3000万円以上の資産を持つ世帯は全体の19.0%の一方で、金融資産を持たない、いわゆる「貯蓄ゼロ世帯」も全体の20.8%とほぼ同じ割合ですね。
このように、世帯ごとに貯蓄状況には大きな差があります。貯蓄が少ない世帯では、年金収入やその他の収入源を確保することが大切となるでしょう。
次の章では、現在のシニア世代が受け取っている年金収入について見ていきます。厚生労働省の一次資料をもとに、公的年金(厚生年金や国民年金)の受給額データを眺めていきましょう。