菊の花が咲き誇り、夜明けの冷気が冬の到来を告げるようになりました。
肌寒さが日ごとに増し、本格的な冬支度をはじめている方も多いのではないでしょうか。
暖房費用の増加に加え、年末に向けた季節ならではの出費も重なり、物価高の影響で家計はさらに圧迫されがちです。
こうした状況下で、今のシニア世代はどのような暮らしをしているのか、気になる方もいるでしょう。
本記事では、65歳以上の無職世帯に焦点をあてて「毎月の生活費・貯蓄額・年金月額」は平均いくらなのか、《ふつうの人》のお金事情について解説します。
1. 【年金制度改正法が成立】主な見直しポイントは?
2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。今回の改正の主な見直しポイントを整理していきましょう。
1.1 年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》
社会保険の加入対象の拡大
- 短時間労働者の加入要件(賃金要件・企業規模要件)の見直し。いわゆる年収「106万円の壁」撤廃へ
在職老齢年金の見直し
- 支給停止調整額「月62万円」へ大幅緩和(2025年度は月51万円)
遺族年金の見直し
- 遺族厚生年金の男女差を解消
- 子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする
保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ
- 標準報酬月額の上限を、月65万円→75万円へ段階的に引き上げ
私的年金制度の見直し
- iDeCo加入年齢の上限引き上げ(3年以内に実施)
- 企業型DCの拠出限度額の拡充(3年以内に実施)
- 企業年金の運用の見える化(5年以内に実施)
では、今のシニア世代はどのような暮らしをしているのでしょうか。
「65歳以上の無職夫婦世帯」の毎月の生活費において、平均はいくらなのか見ていきます。




