会社勤めの40歳代・50歳代は、生涯において収入がピークとなる人が多い時期でありながら、世帯状況によっては子供の学費などで支出も増える、まさにお金の出入りが激しい世代と言えます。

年末は1年の収支を振り返るタイミング。この節目で、やはり同世代がどのくらい貯蓄できているのか気になる人もいるでしょう。リタイア後の生活資金への備えについても、本格的に考え始める時期かもしれませんね。

そこで今回は、40歳代・50歳代世帯の貯蓄額、リタイア世帯の家計収支に関するデータを見ながら、老後に向けた資産づくりについても考えてみます。

1. 【貯蓄】40歳代~50歳代「働き盛り世帯」みんな平均いくら持っている?

さいしょに40歳代・50歳代の貯蓄額について、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を参考に見ていきます。

1.1 【40歳代 二人以上世帯】貯蓄額の平均・中央値《世帯差にも着目》

【40歳代 二人以上世帯】貯蓄額の平均・中央値《世帯差にも着目》

40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

平均:944万円
中央値:250万円

  • 金融資産非保有:25.7%
  • 100万円未満:11.2%
  • 100~200万円未満:6.2%
  • 200~300万円未満:6.1%
  • 300~400万円未満:4.6%
  • 400~500万円未満:3.3%
  • 500~700万円未満:7.7%
  • 700~1000万円未満:6.4%
  • 1000~1500万円未満:8.2%
  • 1500~2000万円未満:3.8%
  • 2000~3000万円未満:5.5%
  • 3000万円以上:6.5%
  • 無回答:4.9%

1.2 【50歳代 二人以上世帯】貯蓄額の平均・中央値《世帯差にも着目》

【50歳代 二人以上世帯】貯蓄額の平均・中央値《世帯差にも着目》

50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯含む)

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

平均値:1168万円
中央値:250万円

  • 金融資産非保有:29.2%
  • 100万円未満:8.7%
  • 100~200万円未満:5.9%
  • 200~300万円未満:5.1%
  • 300~400万円未満:3.7%
  • 400~500万円未満:3.2%
  • 500~700万円未満:6.3%
  • 700~1000万円未満:5.8%
  • 1000~1500万円未満:7.6%
  • 1500~2000万円未満:3.8%
  • 2000~3000万円未満:6.3%
  • 3000万円以上:10.7%
  • 無回答:3.8%

40歳代・50歳代ともに、貯蓄額の平均値(40歳代:944万円、50歳代:1168万円)は中央値(40歳代:250万円、50歳代:250万円)を大きく上回っています。

ここから、一部の富裕層が平均を押し上げている実態が見えてきますね。中央値こそが、一般世帯の貯蓄の実態を反映しやすいと言えるでしょう。

50歳代では、金融資産非保有世帯が29.2%に上り、貯蓄額が500万円未満の世帯が55.8%と過半数を占めています。

これは、教育費の捻出や収入の余裕のなさから、現役世代において理想的な貯蓄が困難な世帯が多いことを示しています。一方で、3000万円以上の貯蓄を持つ世帯も50代で10.7%に達し、貯蓄格差が広がっている状況が確認できます。

こうした現実を踏まえ、リタイア後を踏まえた資産づくりが必要となってくるでしょう。