4. 年金支給日は「2カ月に1回」

老後の生活費は、多くの世帯で「公的年金+貯蓄の取り崩し」が中心になるでしょう。

公的年金は現役時代の給料とは違い、偶数月に2カ月分がまとめて支給されます。そのため、家計管理のペースも毎月から2カ月単位に変わるため、計画的なお金の使い方がより大切になってくるでしょう。

現役世代のうちから、毎月の収支を丁寧に把握し、無理のない範囲で貯蓄を続ける習慣を身につけておくことが大切です。また、50歳を過ぎたら、生活のスリム化を目指し、支出を減らしていく工夫を始めるのも良いでしょう。

また、老齢年金を受給がスタートした後も、税金や社会保険料の支払いが続くことは頭に入れておきましょう。多くの場合、公的年金からこれらが差し引かれた「手取り額」で生活をやりくりすることになります。

年金の支給タイミングや、実際に使える金額をしっかりと意識しながら、老後の生活設計を立てていくことが大切です。

5. まとめにかえて

ここまで、70歳代のおひとりさま世帯について、貯蓄額や年金受給額について確認してきました。

年金制度は老後の大切な収入の柱の一つですが、筆者がご相談を受けるお客様は「年金だけでは、老後の安心は得られない」と考えていらっしゃる方が多い印象です。

上がり続ける物価や、不安定な社会情勢を背景に将来について漠然としたご不安をお持ちの方も多いのかもしれません。

まずは、現状を整理することから始めてみましょう。自分の理想とするライフプランと現状の乖離を理解したうえで、一つずつ対策を考えてみましょう。

参考資料

橋本 高志