3. 住民税の課税状況は、年代によってどう変わる?《シニアは非課税が多い?》
厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」から、年代別の住民税が「課税」されている世帯の割合を確認してみましょう。
このデータには「不明な世帯」が含まれているため、「非課税世帯」の割合は直接示されていませんが、「課税世帯」の割合を参考にその傾向を推測することができます。
各年代における住民税「課税世帯」の割合は以下の通りです。
- 30歳代:88.0%
- 40歳代:90.0%
- 50歳代:86.4%
- 60歳代:78.3%
- 70歳代:64.1%
- 80歳代:47.5%
- 65歳以上:61.9%
- 75歳以上:50.9%
注1:全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯が含まれます。
注2:総数には、年齢不詳の世帯が含まれます。
注3:住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯を含む。
40歳代を境に、年齢が上がるにつれて住民税を支払う世帯の割合は低下していきます。このことから、高齢になるほど住民税が非課税となる世帯が増えていると考えられます。
多くの高齢者世帯では、公的年金が主な収入源となっています。年金収入だけでは低収入になりやすく、その結果、住民税が非課税になるケースが多いのが実情です。
また、公的年金には大きな控除があり、遺族年金や障害年金は非課税です。こうした仕組みも、高齢者世帯が住民税非課税世帯に該当しやすい背景にあると言えるでしょう。
ただし、住民税非課税世帯の要件には「資産状況」は含まれていません。そのため、預貯金などの蓄えが多くても、年金収入が低ければ住民税が非課税となる場合があります。
次に、シニア世代の貯蓄事情を探るため、多くが年金生活を送る「70歳代世帯」の金融資産額に関する調査結果を確認してみましょう。