後期高齢者医療制度「保険料は引き上げ傾向に」

後期高齢者医療制度の保険料は、近年引き上げられる傾向にあります。

全国平均では、被保険者1人あたりの月額保険料が2022・2023年度の6575円から2023年度には7082円(507円増、7.7%上昇)となり、2025年度には7192円になる見通しです。

主な理由として、医療費の増加が挙げられます。また、2024・2025年度については「現役世代の医療費負担軽減」や「出産育児一時金の引き上げ(42万円→50万円)」を目的とした財源確保も背景にあります。

医療費は高齢化に伴い増加する一方、少子高齢化により現役世代1人あたりの負担増を避けることが難しくなっています。

このため、高齢者と現役世代で増加分を分担する仕組みが導入され、保険料率は2年ごとに見直しがおこなわれているのです。

後期高齢者1人当たり保険料、現役1人当たり支援金の推移

後期高齢者1人当たり保険料、現役1人当たり支援金の推移

出所:厚生労働省「医療保険制度改革について」

なお、保険料は居住地や収入により異なり、負担額は全員一律ではありません。試算によると、高収入の人ほど負担が増える見通しとなっています。

その要因の一つが「賦課限度額(保険料の上限)」の引き上げです。東京都の例を見ても、2022・2023年度の賦課限度額が66万円だったのに対し、2024・2025年度は80万円に引き上げられているのです。

一方で、所得が低い人には保険料の軽減措置も設けられています。