12月17日におこなわれた参議院本会議で住民税非課税世帯に対する給付金の支給が決定しました。
物価高対策など、低所得世帯への生活支援を目的として決定した給付金制度ですが、同様の給付金制度はほかにもあります。
たとえば、公的年金などの収入が低い方向けの制度として「年金生活者支援給付金制度」があります。
令和元年からスタートした「年金生活者支援給付金制度」は、公的年金を受け取っている方のうち、一定の条件を満たす方が対象で、年金に上乗せして給付金が受け取れる制度です。
本記事では、この年金生活者支援給付金の支給要件、対象となる人、請求方法などを詳しく解説します。
1. 「年金生活者支援給付金」受け取れる人は?
年金生活者支援給付金は、公的年金などの収入やその他の所得が一定基準額以下の方に、生活の支援を図ることを目的として、年金に上乗せして支給されるものです。
この給付金を受け取れるのは、「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」の受給者で、下記の要件を満たす方です。具体的な要件を確認していきましょう。
1.1 老齢基礎年金を受給している方
65歳以上で老齢基礎年金を受け取っている方のうち、下記の要件の全てを満たしていれば「老齢年金生活者支援給付金」または「補足的老齢年金生活者支援給付金」が受け取れます。
- 請求者と同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が、昭和31年4月2日以後に生まれた方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で、78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で、78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」を支給
1.2 障害基礎年金を受給している方
障害基礎年金の受給している方のうち、下記の要件を満たしていれば「障害年金生活者支援給付金」が受け取れます。
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の収入は非課税なので、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれない
※2 扶養親族等の数に応じて増額
1.3 遺族基礎年金を受給している方
遺族基礎年金の受給している人のうち、下記の要件を満たしていれば、「遺族年金生活者支援給付金」が受け取れます。要件については「障害年金生活者支援給付金」と同じです。
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の収入は非課税なので、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれない
※2 扶養親族等の数に応じて増額
支給対象外の場合
下記のいずれかに該当した場合は、給付金が支給されないため注意が必要です。
- 日本国内に住所がないとき
- 年金が全額支給停止のとき
- 刑事施設等に拘禁されているとき
また、手続きの用紙が届いても支給されない場合があります。
自身が年金生活者支援給付金の対象であるかどうかを確認したい場合は、お近くの市町村窓口または年金事務所に問い合わせることをおすすめします。
次章では、年金生活者支援給付金の給付額について見ていきます。
2. 年金生活者支援給付金の給付額
年金生活者支援給付金には「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」がありますが、受け取れる給付額はそれぞれ異なります。それぞれについて確認しましょう。
※下記の金額は、基準額であることにご留意ください。
2.1 老齢年金生活者支援給付金
老齢年金生活者支援給付金は、保険料納付済期間や保険料免除期間などに基づいて算出されます。未納や免除期間がなければ、月額5310円を受け取れることになりますが、具体的には下記の2つの式を計算した合計額になります。
保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5310円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月(※1)
保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1333円× 保険料免除期間 / 被保険者月数480月(※1)
また、補足的老齢年金生活者支援給付金の計算式は下記のとおりです。
5310円×保険料納付済期間÷480月(※1)×調整支給率(※2)
※1 昭和16年4月1日以前に生まれた方は、生年月日に応じて被保険者月数が短縮される
※2 昭和31年4月2日以後生まれの方(88万9300円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷10万円
昭和31年4月1日以前生まれの方(88万7700円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷10万円
2.2 障害年金生活者支援給付金
- 障害等級が1級の方:6638円/月
- 障害等級が2級の方:5310円/月
2.3 遺族年金生活者支援給付金
・5310円/月
※2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合、5310円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われる
3. 12月の給付に間に合ったのは?「年金生活者支援給付金」の手続き方法
それでは、年内12月の給付に間に合った人はどのような人なのでしょうか。具体的な手続き方法とともにご紹介します。
3.1 現在年金を受給している方
現在年金を受給中の方で、前年より収入が減ったなどの事由で給付金の対象者に該当する場合、毎年9月頃より、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」が順次送付されます。
封筒が届いた方は、必要事項を記入し、切手を貼って速やかに年金事務所や役所に提出します。
給付金の支払いは請求した月の翌月分からなので、封筒が届いて9月に手続きをした場合、10月分から受け取れます。ただし、振り込まれるのは12月で、10月分と11月分の2カ月分が年金と同じ口座に支払われます。
今年度の場合、支給要件に該当する人が「令和7年1月6日」までに請求書が届くように提出すれば、令和6年10月分からの給付金が遡って支払われます。
期限を過ぎて届いた場合、請求した月の翌月分からの支払いになります。早めに手続きを行うことをおすすめします。
3.2 これから年金を受給する方
65歳の誕生月の3カ月前に、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」が老齢基礎年金の請求書と一緒に届きます。
老齢基礎年金の請求書と給付金請求書に必要事項を記入したら、一緒に同封して年金事務所や役所に提出します。
4. 年金生活者支援給付金は恒久的な制度、手続きをお忘れなく!
今回は年金生活者支援給付金について、支給の対象者や支給金額、請求方法について確認しました。
この給付金は恒久的な制度で、支給の判定は前年度の所得情報などに基づいて毎年おこなわれます。要件を満たす限り、1年間継続して支給され、2年目以降の支給に関しても、とくに手続きは不要です。
ただし、前年度の収入が増えたりするなど、支給要件を満たさなくなると支援金は支給されません。
支給額に関する通知書や要件に該当しなくなった場合は不該当通知などが届くので、日頃から郵便物のチェックは忘れないようにしましょう。
冒頭で述べたとおり、12月17日に住民税非課税世帯を対象にした3万円の支給案を含む、補正予算案が成立しました。手続きの方法や支給時期など、具体的なスケジュールはこれから決まるので、こちらに関しても今後のお知らせに注目です。



