物価が上がり、毎日の生活費が気になる方も多いのではないでしょうか?お財布の中身が気になるこのご時世、特に年金生活を送っている方や低所得者層の不安は大きいですよね。
私もファイナンシャル・プランナー(FP)として、最近は「老後の生活が心配」といった相談を受けることもあります。
こうした中、政府は低所得者向けに給付金を支給するようです。よく話題になる給付金ですが、特に対象者の方は申請を忘れずに行うことが大切です。
そこで今日は、そんな給付金を受け取れる場合がある「住民税非課税世帯」について、ちょっと深掘りしてみましょう。
1. 「住民税非課税世帯」という区分
コロナ禍以降、低所得者世帯や家計が急変した世帯を対象とした給付金が支給される機会が増えましたが、それ以前からさまざまな種類の給付金が存在していました。
特に、低所得世帯向けの支援でしばしば対象として挙がるのが「住民税非課税世帯」という区分。
まずは、住民税のしくみや、「住民税非課税世帯」について整理していきましょう。
2. 住民税非課税世帯に該当するのはどんなケース?
住民税とは、住んでいる地域(市区町村や道府県)に支払う税金のことで、その地域の公共サービスやインフラの費用をまかなうために使われます。
個人住民税には、所得に応じて負担額が変わる「所得割(※1)」と、所得に関係なく一定額を負担する「均等割(※2)」があります。これにより、所得に応じて支払う金額が決まる仕組みとなっています。
一方で、収入が少なく税金を支払う余裕がない世帯を支援するために「住民税非課税世帯」という区分が設けられています。この区分に該当する場合、住民税を支払う必要がありません。
※1 所得割の標準税率:市町村民税6%+道府県民税4%
※2 均等割の標準税率(年額):市町村民税3000円+道府県民税1000円(2024年度からは森林環境税1000円が上乗せ)
2.1 住民税非課税世帯となる要件は?
住民税非課税世帯となる要件は、以下の3つに分かれています。
- 生活保護を受けていること
- 障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下であること
- 前年の所得が市区町村などの基準より少ないこと
最後の「前年の所得」に関する基準は、自治体にごとに設定されています。今回は、東京23区内における所得の目安を、参考までに見ていきましょう。
2.2 「住民税非課税世帯」に該当する所得の目安(東京23区)
前年中の合計所得金額が下記となる場合
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
「同一生計配偶者や扶養親族がいない場合」の目安は、「所得45万円以下」となっています。
ただし、この「所得」とは、「収入」から、必要経費や各種控除が差し引かれたあとの金額なので、実際にどのくらいの年収(収入)であれば該当するのか、イメージがつきにくいかもしれません。
そこで次では「所得45万円以下」がどの程度の年収に相当するかについても、具体的な目安を見てみましょう。