3. 30歳代からの投資で重要となるポイント
シミュレーション結果を踏まえながら、30歳代からの投資のポイントを紹介していきます。
3.1 ポートフォリオの作成
30歳代から資産運用を始める場合、全てを安定的な投資先ではなく、多少のリスクも取り入れて投資先を選定することで、資産を大きく増やす可能性が上がります。
株式・債券・投資信託など、自分の資産の組み合わせを「ポートフォリオ」と呼びます。
比較的リスクの少ない債券や投資信託のインデックスファンドの割合、リスクとリターンが大きい株式や投資信託のアクティブファンドの割合を考えて投資をすることが重要です。
リスクが大きい投資は元本割れをする可能性も高いことを考え、投資分がなくなってしまっても他の資産でカバーができる程度の割合で設定することが望ましいです。
投資を開始してからも、その後の自身の収入に合わせてポートフォリオを考え、常に無理のない範囲で投資を続けていくことが重要です。
3.2 長期投資
早い段階から積立をする大きなメリットが、長期間の投資計画を立てられることです。特に積立・長期・分散投資は一般的に長期間保有するほどリスクが下がる傾向にあります。
そのため、投資は「まだ早い」と思わずに、まずは始めてみることも重要です。長期間の積立を行うことで、リスクを下げて複利効果を最大限に活用した資産運用をすることが可能です。
3.3 手数料の安い商品を選ぶ
長期的に資産運用をする場合、保有期間にかかってくる手数料は最終的に大きな差になることがあります。
特に安定した資産運用を考える場合には、利回りに大きな差が出にくいため、手数料によって金額に差が出ることもあります。
NISAでインデックスファンドを積み立てる際は、保有期間中に発生する信託報酬について、できるだけ低い商品を選ぶことも重要となります。
4. おわりに
新NISA制度は初心者でも低いハードルで資産運用を始められる制度です。毎月コツコツと積み立てをすることで、30年後には大きな資産形成を目指せる可能性があります。
若いうちからポートフォリオを考えて計画的に投資を行うことで、リスクを抑えて複利効果を活用しやすい投資もできるようになります。資金に余裕のある場合は、リスクが高くても高リターンな投資を目指すことも可能です。
ただし、投資にはリスクが伴うため、ファイナンシャルプランナーなど専門家の意見も取り入れながら、無理のない範囲で計画的に資産形成を目指していきましょう。
参考資料
- 金融庁「リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果」
- 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」
- 金融庁「NISAを知る」
- 金融庁「高校生のための金融リテラシー講座」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 総務省統計局「人口推計 2024年(令和6年)11月報」
- 金融庁「基礎から学べる金融ガイド」
斎藤 彩菜