70歳以上の世帯で「貯蓄3000万円以上」を持つ人はどのくらいいるのでしょうか?

最近では、シニア世代でも多くの方が働き続けています。働く理由は、生きがいを求める場合もありますが、昨今の物価の値上げ対策として生活費を補うためにという方も多いでしょう。

とはいえ、70歳を超えると身体に無理がきかなくなることもあり、年金やこれまで貯めた貯蓄額が多ければ、貯えの中でやりくりするのに…と思うこともあるかもしれません。

今回は、70歳以上の貯蓄額の平均や中央値をチェックしてみましょう。

「貯蓄3000万円以上」という羨ましい世帯はどのくらいいるのでしょうか。また、老後資金を増やすための3つの行動についてもご紹介します。

1. 70歳以上で貯蓄などが3000万円以上の世帯は「2人以上世帯19.7%」「単身世帯17.3%」

70歳以上の方の、貯蓄を金融中央広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」で確認してみましょう。

1.1 70歳以上の金融資産保有額の内訳【2人以上世帯】

【貯蓄額の円グラフ】70歳代・二人以上世帯1/2

【貯蓄額の円グラフ】70歳代・二人以上世帯

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 100万円未満:5.6%
  • 100〜200万円未満:5.1%
  • 200〜300万円未満:4.3%
  • 300〜400万円未満:4.7%
  • 400〜500万円未満:2.5%
  • 500〜700万円未満:6.2%
  • 700〜1000万円未満:5.8%
  • 1000〜1500万円未満:10.2%
  • 1500〜2000万円未満:6.6%
  • 2000〜3000万円未満:7.4%
  • 3000万円以上:19.7%
  • 金融資産非保有:19.2%
  • 無回答:2.6%

1.2 70歳以上の金融資産保有額の内訳【単身世帯】

【貯蓄額の円グラフ】70歳代・単身世帯2/2

【貯蓄額の円グラフ】70歳代・単身世帯

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 100万円未満:5.8%
  • 100〜200万円未満:4.3%
  • 200〜300万円未満:4.1%
  • 300〜400万円未満:3.3%
  • 400〜500万円未満:2.5%
  • 500〜700万円未満:6.6%
  • 700〜1000万円未満:5.1%
  • 1000〜1500万円未満:8.6%
  • 1500〜2000万円未満:5.3%
  • 2000〜3000万円未満:8.2%
  • 3000万円以上:17.3%
  • 金融資産非保有:26.7%
  • 無回答:2.3%

70歳以上の金融資産保有額の内訳をみると、3000万円以上と回答したのは「2人以上世帯が19.7%」「単身世帯が17.3%」となっています。

金融資産非保有を除いて考えるなら、他の資産保有区分と比べて3000万円以上の比率がもっとも多くなります。

続いて多いのは「2人以上世帯では1000〜1500万円未満の10.2%」「単身世帯でも1000~1500万円未満の8.6%」です。

また、以前、老後資金に2000万円が必要といわれたこともありましたが、70歳以上で2000万円以上の金融資産を保有しているのは「2人以上世帯で27.1%」「単身世帯では25.5%」です。

70歳以上の2人以上世帯、単身世帯のどの場合においても約4世帯に1世帯は金融資産保有額2000万円以上ということになります。

一方、金融資産非保有という方は「2人以上世帯では19.2%」「単身世帯では26.7%」という結果となりました。

次に、70歳以上の平均貯蓄額を確認してみましょう。まず、2人以上世帯における平均貯蓄額は1757万円、単身世帯の平均貯蓄額が1529万円です。

ただ、平均貯蓄額については、一部の富裕層が平均を引き上げている場合もあり、実態を正しく反映しているとは限りません。

そのため、70歳代の貯蓄額の実態を知るために、データを小さい順から並べたとき、ちょうど真ん中に位置する値となる「中央値」を確認してみると、70歳以上の2人以上世帯における中央値は700万円、単身世帯の中央値は500万円となりました。

2. 60歳代からでも始められる老後資金を増やすための3つの行動

老後資金を増やすためには、今からできることに取り組むことが大切です。60歳代からでも実践できる3つの行動をご紹介します。少しずつ意識を変えるだけでも、老後の安心感が大きく変わるはずです。

2.1 60歳代からでも始められる老後資金を増やすための行動1:固定費を見直す

老後生活では支出が現役時代の6~7割に減る傾向がありますが、無駄な出費がそのまま残っている場合も少なくありません。

住居費、自動車費、保険料、通信費などの固定費を見直すことで、毎月の支出を大幅に削減できます。一度見直せば、その後も継続して節約効果が期待できるため、老後資金を増やす第一歩としておすすめです。

不要なサービスの解約や、より安いプランへの切り替えなど、小さな工夫を重ねましょう。

2.2 60歳代からでも始められる老後資金を増やすための行動2:安定運用を心がける

固定費を見直して得た余剰資金は、「安全性」と「流動性」を重視して、金利の高い定期預金や国債など、リスクが低く安定した運用ができる商品に預けましょう。

高齢者が投資を行う際は、リスクの高い商品は避けた方が安心です。また、必要なときに現金化しやすい流動性の高い運用先を選んでおけば、急な出費にも対応できます。

もし、株や投資信託などの投資を行うときは、生活費や緊急資金を確保した上で、無理のない範囲にとどめることが大切です。金融商品の特徴をしっかり理解し、慎重な姿勢で取り組むことを心がけましょう。

2.3 60歳代からでも始められる老後資金を増やすための行動3:健康を維持して働き続ける

最近では、70歳以上でも働く環境が整っており、元気なうちは就労を続けることで収入を得られます。収入が増えれば、生活費を賄うだけでなく、老後資金に余裕を持たせることも可能になります。

また、働くことで規則正しい生活ができ健康維持につながったり、社会と接点を保つことで生きがいを持ったりすることに役立ちます。無理なく続けられる仕事や副業を探し、資産形成を目指しましょう。

3. まとめにかえて

70歳以上で「貯蓄が3000万円以上」もあるのはうらやましい話かもしれません。

これだけまとまった資産を築くには、若いうちから日々のお金の使い方、増やし方について考え、無駄のない生活を積み上げてきた結果といえます。

着実に増やすのは、いつからでも大丈夫。まずは、収支バランスを見直すことからはじめましょう。

参考資料