3. 介護保険料を差し引いた年金額を年収別に紹介

東京都新宿区に住む収入が年金のみの65歳の単身者を例に、年収別で介護保険料が引かれた後の年金額を試算します。

《所得などの状況別》介護保険料(例:東京都新宿区)

《所得などの状況別》介護保険料(例:東京都新宿区)

出所:新宿区「介護保険料の決まり方」

新宿区の介護保険料は18段階に分かれており、基準額は「6600円」です。所得に応じて、指定の倍率を掛けて保険料を算出します。

なお、年金収入から所得を求めるには「公的年金等控除」の計算が必要です。収入金額に応じて、所得の一部が控除されます。

また、試算結果はあくまで介護保険料のみ差し引いたものです。

実際はさらに所得税・住民税・国民健康保険料または後期高齢者医療保険料が差し引かれます。支給される年金額は、試算結果よりも少ない金額であることをおさえておきましょう。

65歳以上単身世帯の、年金月額6万円、10万円、15万円、20万円、30万円の介護保険料と手取り額の試算結果は次のとおり。

3.1 年金月額6万円の場合

年金が月額6万円の場合、年収は72万円です。2024年度の国民年金の満額受給額が6万8000円ですから「国民年金のみ受給している人」をイメージしましょう。

65歳以上で年金収入が72万円の場合、公的年金等控除により所得は0円になります。

住民税も非課税となるため、新宿区の保険料段階の第1段階「本人の課税年金収入金額とその他の合計所得金額を合わせて、80万円以下」に該当します。

第1段階の基準額に対する割合は「0.25倍」です。よって、月額あたり「6600円×0.25=1650円」が差し引かれます。

年金は2ヶ月分が一度に支給されるため、介護保険料天引き後の年金額は以下のようになります。

  • 12万円-3300円=11万6700円(月額あたり5万8350円)

所得が少ない分、負担額も低くなっています。