「オムロンの給料は実際どれくらいなのか?」「業績の変動が大きいオムロンで働くと、どんな待遇が得られるのか」と気になっていませんか?
オムロンの最新有価証券報告書によると、平均年間給与は888万2000円で、前年度から8.3%上昇しています。
ただし、この背景には大規模な構造改革プログラムを経た業績回復という事情があります。
本記事では、有価証券報告書のデータをもとに、平均年収の実態からセグメント別の従業員数、過去5年間の業績推移までを詳しく解説します。
就職・転職やキャリア選択、株式投資の判断材料としてぜひご活用ください。
- 平均年間給与888万2000円、前年度比8.3%上昇:構造改革プログラム「NEXT2025」による立て直しを経て業績が回復し、平均年齢44.5歳・平均勤続年数14.8年の提出会社単体で賞与及び基準外賃金を含む水準として算出されている。
- 事業再編後の従業員配置:非継続事業となったデバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)を含む6区分に再編され、提出会社単体3855名・連結2万6050名が在籍している。
- 業績は2期連続の落ち込みから回復基調へ:2023年度の中国経済減速等を受け利益が急落したが、構造改革プログラムを経て2026年3月期の当期純利益は284億8700万円まで回復した。
1. オムロンの平均年間給与はいくらか
有価証券報告書によると、オムロン(提出会社単体)の2026年3月31日時点における平均年間給与は、888万2000円でした。
前期(2025年3月期)の820万5000円から67万7000円増加し、前年度比8.3%の上昇となりました。
平均年齢は44.5歳、平均勤続年数は14.8年となっています。
なお、この平均年間給与には賞与及び基準外賃金が含まれています。
2. オムロンの従業員数は何人か
有価証券報告書によると、提出会社(単体)の従業員数は2026年3月31日時点で3855名でした。
前期末の3873名から18名減少しています。
オムロンは2026年3月30日開催の取締役会において、子会社であるオムロンデバイス株式会社が営むデバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業、以下「DMB」)の分社化を決議しました。
本株式譲渡の実行日は2026年10月1日を予定しており、これに伴いDMBは非継続事業に区分されています。
提出会社(単体)のセグメント別従業員数は以下の通りです。
- インダストリアルオートメーションビジネス:2105名
- デバイス&モジュールソリューションズビジネス(非継続事業):741名
- データソリューションビジネス:67名
- 本社他:942名
一方、連結ベースの従業員数は2万6050名となっています。
セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- インダストリアルオートメーションビジネス:8778名
- ヘルスケアビジネス:4004名
- ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス:2311名
- デバイス&モジュールソリューションズビジネス(非継続事業):6122名
- データソリューションビジネス:2603名
- 本社他:2232名
3. 過去5年間の業績推移
オムロン(連結)の業績推移も確認しておきましょう。
売上高は、2023年3月期の8760億8200万円をピークに、2025年3月期には7153億7900万円まで2期連続で減少しました。
その後、2026年3月期には7673億5100万円まで回復しています。
法人税等・持分法投資損益控除前当期純利益も同様の傾向で、2023年3月期の984億900万円をピークに、2024年3月期・2025年3月期と2期連続で落ち込みました。
2025年3月期には331億3100万円まで低下しましたが、2026年3月期には525億7100万円まで回復しています。
当社株主に帰属する当期純利益は、2023年3月期の738億6100万円から2024年3月期には81億500万円まで急減しました。
その後は回復基調にあり、2025年3月期には162億7100万円、2026年3月期には284億8700万円となっています。
この業績悪化の背景には、2023年度に中国経済の成長鈍化やサプライチェーンの混乱など、事業環境が想定以上に悪化したことがあります。
これを受けてオムロンは、2024年4月から2025年9月まで構造改革プログラム「NEXT2025」を実行し、制御機器事業の立て直しや固定費の圧縮、人員数・能力の最適化などに取り組みました。
2026年4月からは新たな中期ロードマップ「SF 2nd Stage」(2026年度から2030年度まで)に移行し、2030年度に向けて売上高の年平均成長率7%、営業利益率12%といった財務目標を掲げています。
4. まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は、仕事をする人にとって誰もが気になる要素ではないでしょうか。
金銭面の処遇だけでなく、働きがいや働きやすさといった職場環境が大切なのは言うまでもありません。
とはいえ、「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。
こうした有価証券報告書ベースのデータが、就職活動や転職活動、そして株式投資の参考になれば幸いです。
4.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人員数となっています。
4.2 【ご参考】有価証券報告書とは
日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。
5. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
有価証券報告書に示された「平均年収888万2000円」という数字は、前年度比8.3%の上昇という勢いも相まって魅力的に映りますが、ファイナンシャルプランニング(FP)の視点からは、この数値が提出会社単体(3855名)のものであり、連結ベースで働く従業員全体の待遇を表すものではない点に注意が必要です。就職活動や転職活動でオムログループを検討する際は、配属される事業会社やセグメントによって給与体系や評価制度が異なる可能性を踏まえ、公開データの平均値だけに頼らず、実際の配属先における処遇や働き方まで見据えて検討することをおすすめします。
一方、投資家目線でみると、直近5年間の業績推移には興味深い変化が読み取れます。オムロンは2023年度以降、中国経済の成長鈍化やサプライチェーンの混乱等を受けて業績が急激に悪化し、2024年3月期には当期純利益が81億500万円まで落ち込みました。これを受けて構造改革プログラム「NEXT2025」のもとで制御機器事業の立て直しや固定費の圧縮、電子部品事業の分社化・譲渡などを進め、2025年3月期以降は利益水準の回復を実現しています。2026年4月からは新たな中期ロードマップ「SF 2nd Stage」のもとで、さらなる成長を目指す方針です。
新NISAなどを活用して長期的にオムロン株式へ投資する場合も、単に大手電機メーカーだからという理由だけでなく、こうした事業ポートフォリオの再編がどこまで実行され、収益性の改善につながっているかを継続的に確認する視点が欠かせません。給与水準の回復と企業の成長戦略が両立していくかどうかは、キャリアを検討するうえでも、株式に投資するうえでも、注目しておきたいポイントといえるでしょう。
参考資料
マネー編集部年収班
