国民年金や厚生年金は、老後の生活費の柱となる大切な収入です。リタイア後の生活を厳しいものにするか、ゆとりあるものにするのかは受給額に影響を受けます。
令和のシニア男性は、国民年金・厚生年金をいくら受け取っているのでしょうか。
本記事では、男性の平均年金受給額や年金額を増やすための方法などについて解説していきます。
1. 国民年金と厚生年金についておさらい
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2つで成り立っています。国民年金は20歳以上60歳未満のすべての方が加入するもので、厚生年金は会社員や公務員などが加入するものです。
【写真全7枚中1枚目】公的年金のしくみ《国民年金と厚生年金の2階建て構造》。2枚目以降で、「男性の厚生年金&国民年金の月額階級別受給者数のグラフ」や年金を増やす方法をご紹介!1/7
国民年金は、以下のように3つの被保険者に分類されています。
- 第1号被保険者:自営業、個人事業主、無職、学生など
- 第2号被保険者:会社員、公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者(※)
※年収130万円未満で20歳以上60歳未満
年金支給開始年齢は原則65歳からとなっており、第1号・第3号被保険者は国民年金のみを、第2号被保険者は国民年金に上乗せして厚生年金も受給できます。
2. 令和のシニア男性の平均年金受給額
現在、公的年金を受給している男性は、平均いくらもらっているのでしょうか。厚生労働省年金局が公表している「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに確認していきましょう。
2.1 厚生年金は平均約16万4000円
男性で厚生年金を受給している方の平均額は、16万3875円です。男女を合わせた平均額は14万3973円なので、平均よりも2万円ほど高額になっています。なお、この金額には国民年金受給額も含まれています。
受給金額ごとの人数は以下の通りです。
- 1万円未満:4万2520人
- 1万円以上2万円未満:1万79人
- 2万円以上3万円未満:4930人
- 3万円以上4万円未満:7128人
- 4万円以上5万円未満:2万2573人
- 5万円以上6万円未満:5万6631人
- 6万円以上7万円未満:16万3911人
- 7万円以上8万円未満:24万2231人
- 8万円以上9万円未満:24万8550人
- 9万円以上10万円未満:27万422人
- 10万円以上11万円未満:34万2760人
- 11万円以上12万円未満:43万1283人
- 12万円以上13万円未満:51万9747人
- 13万円以上14万円未満:62万5003人
- 14万円以上15万円未満:73万5371人
- 15万円以上16万円未満:83万5773人
- 16万円以上17万円未満:92万6898人
- 17万円以上18万円未満:98万1435人
- 18万円以上19万円未満:95万8567人
- 19万円以上20万円未満:87万3863人
- 20万円以上21万円未満:73万5334人
- 21万円以上22万円未満:55万3806人
- 22万円以上23万円未満:37万3837人
- 23万円以上24万円未満:24万7558人
- 24万円以上25万円未満:16万2911人
- 25万円以上26万円未満:10万437人
- 26万円以上27万円未満:5万8850人
- 27万円以上28万円未満:3万3028人
- 28万円以上29万円未満:1万5615人
- 29万円以上30万円未満:7225人
- 30万円以上:1万2164人
15万円から20万円にかけての範囲に多くの方が該当しており、最も多いのは「17万円以上18万円未満」で、約98万人です。
30万円以上の高額受給をしている方もいますが、1万2164人と全体のわずか0.11%にとどまっています。
2.2 国民年金は平均約5万9000円
男性で国民年金を受給している方の平均額は、5万8798円です。男女を合わせた全体の平均額は5万6316円なので、平均よりも若干高額になっています。
受給金額ごとの人数も見ていきましょう。
- 1万円未満:1万2091人
- 1万円以上2万円未満:5万5225人
- 2万円以上3万円未満:21万1847人
- 3万円以上4万円未満:65万8993人
- 4万円以上5万円未満:136万2403人
- 5万円以上6万円未満:342万2304人
- 6万円以上7万円未満:831万511人
- 7万円以上:40万9668人
「6万円以上7万円未満」の方が800万人以上該当し、最も多い割合を占めています。
3. 年金受給額を増やす方法
老後の生活を少しでもゆとりあるものにするために、年金受給額を増やす方法として、主に次のようなものがあります。
3.1 国民年金の任意加入をする
国民年金保険料の未納期間があるため満額受給できない場合、60歳以降に国民年金に任意加入して年金額を増やすことが可能です。
対象となるのは、日本に住む60歳以上65歳未満の方で、繰上げ支給を受けておらず、厚生年金保険に加入していない方です。
3.2 繰下げ受給を選択する
国民年金・厚生年金は原則として65歳から支給開始になりますが、66歳以後75歳までの間に繰り下げて、増額した年金額を受給することも可能です。
1カ月繰り下げるごとに0.7%の増額となり、最大84%まで増額できます。なお、増額率は一生変わりません。
国民年金と厚生年金は別々に繰り下げられるため、例えば国民年金は65歳から受給開始し、厚生年金は70歳から開始するなども可能です。
3.3 定年後も働いて厚生年金に加入する
定年退職後に、再就職や再雇用などで厚生年金に加入して働くと、厚生年金受給額を増やせます。厚生年金保険には、原則として70歳まで加入可能です。
体調や家庭状況などに無理のない範囲で定年後も働くことを検討してみましょう。
4. まとめにかえて
令和のシニア男性の平均年金受給額は、厚生年金が約16万4000円、国民年金が約5万9000円です。
公的年金だけでは生活できない場合は、任意加入や繰下げ受給などで受給額を増やすことも可能ですが、できれば現役時代のうちから老後資金を準備しておきたいものです。
銀行の先取り貯蓄や、NISAやiDeCoといった非課税制度のある貯蓄方法なども視野に入れ、ご自身に適した方法で老後資金形成を考えてみましょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「任意加入制度」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給 繰下げ増額率早見表」
木内 菜穂子