5. 後悔(その5):長期運用を優先しすぎてしまった
老後の資金不足が社会問題として注目される中、「今から準備しなければ」と資産形成を始める人は多いです。
しかし、長期運用にばかり目を向け、毎月の生活費や短期的な資金繰りを軽視してしまうと大変なことになります。
新NISAやiDeCoに収入の大半を回した結果、日々の支出を捻出するのがギリギリになり、思わぬ出費に対応できない状況に陥るケースも少なくありません。
長期的な視点は大切ですが、日々のキャッシュフローを確保しつつ運用計画を立てることが重要です。無理のない積立額に設定したりすることで、資産形成と生活のバランスを取ることが可能になります。
「未来のための準備」が現在の生活を圧迫することのないよう、現実的な資金計画を立てましょう。
6. まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。今回は、銀行の元投資教育担当であった筆者が、新NISAやiDeCoをはじめる前に、「気付いておけばよかった」と後悔しがちなことをご紹介しました。
新NISAとiDeCoは税制優遇が充実しているなどの点から、いずれも魅力的な制度ではあります。
ですが新NISAやiDeCoなどの制度単体でとらえるのではなく、家計全体の資産設計を検討した上で、必要に応じて制度を活用していくことが大切です。
参考資料
三石 由佳