政府は、国民健康保険の保険財政改善を目的に、自営業者や非正規労働者などが支払う国民健康保険料の上限額を2025年度から3万円引き上げることを発表しました。

国民健康保険料の上限額は定期的に見直されており、今回で上限額の引き上げは4年連続となります。

本記事では、2025年度の国民健康保険料の引き上げの概要について紹介していきます。

上限額の引き上げの対象となる年収や、過去の上限額の推移についても触れているので、あわせて参考にしてください。

1. 2025年度「国民健康保険料」の上限「3万円」引き上げ決定

冒頭でもお伝えしたように、政府は、国民健康保険料の上限額を2025年度から3万円引き上げることを公表しています。

国民健康保険料の計算方法は各市区町村ごとに異なりますが、年間の上限額は全国で統一されています。

2024年度の保険料上限は「89万円」でしたが、2025年度からは3万円の引き上げにより「92万円」となる予定です。

なお、上記の増額分は「基礎賦課分」と「後期高齢者支援金等賦課分」を合わせた金額となっています。

【写真全4枚中1枚目】2025年度:賦課限度額の引上げについて。2枚目では、賦課限度額に該当する世帯の割合

2025年度:賦課限度額の引上げについて

出所:厚生労働省「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について」

また、40歳から64歳の人が納める介護保険料にも上限額がありますが、2025年度の介護保険料は17万円のままで、国民健康保険料と合わせた全体の上限額は109万円となります。

なお、2025年度から国民健康保険料の上限額が引き上げられることで、適用される年収基準にも変化が生じます。

次章では、「国民健康保険料の上限額の概要」を確認するとともに、今回の上限額の引き上げの影響を受ける人について詳しく見ていきましょう。