2024年内の年金支給はすでに終了し、次回の年金支給日は2025年2月14日です。

年金は額面金額をまるごと受け取れるわけではなく、税金等が天引きされるため注意が必要です。

本記事では老後資金の柱である年金について解説していきます。年金制度について知ることで老後生活への理解も深まるでしょう。参考にしていただければ幸いです。

※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。

1. 老齢年金の仕組みや役割「どこまで知ってる?」

長期的な人生設計を考えたとき、避けて通れないのが「老後の年金」の話題です。

私たちの多くにとって、公的年金は老後の暮らしを支えるメインの収入となります。一方で、そのしくみを分かりにくいと感じる人もいるでしょう。毎月ではなく2カ月に1度の支給となることなども、意外な盲点かもしれません。

さいしょに厚生労働省年金局が公表した「生活設計と年金に関する世論調査」から、老齢年金のしくみや役割についての認識に関する調査結果を眺めてみましょう。

1.1 老齢年金の仕組みや役割についての認識

この調査は、全国の18歳以上の日本国籍を持つ5000人を対象に実施され、老後の生活設計や公的年金制度に対する意識やニーズについてたずねています。

この中には「老齢年金の仕組みや役割」に関する認知度を問う設問があり、その結果は以下の通りでした。

  • 学生含め20歳以上の国民は、加入する義務がある:82.0%
  • 60~75歳の間で受け取り始める時期を選択できる:73.0%
  • 現役で働く世代が、高齢者を扶養する制度である:66.8%
  • 保険料の納付状況に応じて年金額が変動する:62.5 %
  • 生涯にわたり年金を受給できる:56.4
  • 物価や賃金の変動に応じて年金額が調整される:42.3%
  • 「ねんきんネット」というサービスが活用できる:30.2%
  • 「公的年金シミュレーター」というサービスが活用できる:8.4%
  • いずれも知らない:5.1%
  • 無回答:1.4%

「学生を含めた20歳以上の国民は、国民年金に加入する義務がある」ことを知っている人は82.0%。また、「60~75歳までの間で受け取り始める時期を選択できる」つまり、繰下げ・繰上げ受給の存在を知っている人は73.0%に上りました。

一方で「物価や賃金の変動に応じて年金額が調整される」ことを知っている人は42.3%、「公的年金シミュレーター」というサービスが活用できることを知っている人に至っては8.4%と、その認知度は低めでした。

日本は「国民皆年金」であるにもかかわらず、公的年金の「そこそこ基本的な知識」がない人は、意外に多いのかもしれませんね。働き盛りの現役世代にとっては、どこか遠い将来の話に聞こえてくることもあるでしょう。

老齢年金は、将来の生活設計とは切っても切り離せない存在です。受給スタートして「知らなかった!」と慌てることは避けたいですよね。

そこで次では、いわゆる「年金の盲点」の一つともいえる、「老齢年金からの天引き」についてお話します。