3. 年金制度改正による加給年金の支給停止条件
加給年金は、配偶者が厚生年金や退職共済年金を受け取る権利があるとき、または障害年金を受給する間は支給停止されます。
さらに、年金制度の改正により令和4年4月以降は、配偶者が厚生年金を実際に受給していなくても、受給する権利がある場合(在職による支給停止など)は加給年金は支給停止となります。
ただし、以下の条件を満たす場合は、引き続き支給される経過措置がとられています。
- 令和4年3月時点で、本人の老齢厚生年金または障害厚生年金に加給年金が支給されている
- 令和4年3月時点で、配偶者が厚生年金保険の被保険者期間が240月以上ある老齢厚生年金等の受給権を有しており、全額が支給停止されている
4. 加給年金の申請方法
加給年金の加算は自動的に行われるものではなく、届け出が必要です。次の必要書類をそろえて、年金事務所または年金相談センターに申請します。
【必要書類】
- 老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届
- 受給権者の戸籍抄本または戸籍謄本(記載事項証明書)(※)
- 世帯全員の住民票の写し(続柄・筆頭者が記載されているもの)(※)
- 加給年金額の対象者(配偶者や子ども)の所得証明書、非課税証明書のいずれかひとつ(加算開始日から直近のもの)
※加算開始日より後に発行されたもので、提出日の6カ月以内のもの
不明な点がある場合は、年金ダイヤルや年金事務所などに問い合わせてください。
5. まとめにかえて
厚生年金を受給している方に、一定の条件を満たす配偶者や子どもがいる場合、厚生年金に加給年金が加算されます。経済的な負担を軽減することを目的としたものであるため、支給条件を確認し、該当する場合は忘れずに申請しましょう。
また、年金制度改正により令和4年4月以降は加給年金の停止条件が厳しくなっています。老後の生活費に困らないよう、公的年金以外の方法でも老後資金の準備を進めることをおすすめします。
参考資料
木内 菜穂子