社会保険料の負担増加は、私たちの生活に大きな影響を与えています。10月31日には、厚生労働省が国民健康保険料の保険料上限を引き上げることを決定しました。

これで、上限の引き上げは4年連続行われることになります。保険料の引き上げにより負担が増えるのは、どういった人なのでしょうか。

また、国民健康保険の負担が大きくなり続けるのはなぜなのでしょうか。この記事では、国民健康保険料の上限引き上げや国民健康保険料が増える理由・対策について解説します。

1. 国民健康保険料の仕組み

国民健康保険は、会社の社会保険や後期高齢者医療保険に加入していない人が対象となる公的な医療保険です。自治体が運営する市町村国保か、業種ごとの組織が運営する国保組合のどちらかに加入します。

市町村国保の加入者は、保険料を住んでいる自治体に納めます。国保組合の加入者は、保険料を組合宛に納めます。

保険料の内訳は、以下の3つです。

  • 医療分(基礎賦課分)
  • 後期高齢者支援分
  • 介護分(40〜65歳のみ負担)

そして、上記の金額は、それぞれ以下を合計して算出します。

  • 所得割:世帯加入者の所得に応じて計算(所得額×保険料率)
  • 資産割:世帯加入者の資産に応じて計算(固定資産税額×保険料率)
  • 均等割:世帯加入者の人数に応じて計算(加入者数×均等割額)
  • 平等割:全世帯平等に一定額を徴収

なお、保険料計算の内訳は自治体や組合ごとに異なります。たとえば、東京都内でも武蔵野市は所得割と均等割の合計で医療分・後期高齢者支援分・介護分を算出しています。

一方、小笠原村は所得割・資産割・均等割・平等割の合計で保険料を算出しています。

また、最終的な保険料も自治体や組合ごとに異なります。たとえば、所得が300万円の人の月額保険料は東京都新宿区が3万74円、名古屋市が3万891円です。

自分が加入する国保運営団体がどのように保険料を算出しているのか気になる場合は、自治体や組合に問い合わせてみましょう。

では、厚生労働省が発表した国保の保険料の引き上げについて、次章で解説します。