2. 後期高齢者医療制度の保険料は今までより増える?減る?

誰もがいずれ後期高齢者医療制度に加入するとなれば、気になるのは保険料の負担ではないでしょうか。

筆者が公務員として対応していたときも、保険料の試算に来られる方が多かったものです。

結論として、保険料が安くなる人が多かったものの、中には負担が増える方もいました。さらに、近年では後期高齢者医療制度の保険料自体が増加傾向にあるのです。

くわしく見ていきましょう。

2.1 後期高齢者医療制度の保険料の決まり方

後期高齢者医療制度の保険料は、一律に負担する「均等割」と前年の所得で決まる「所得割」の合計で算出されます。

均等割額と所得割の率は、都道府県によって異なります。

例えば東京都の場合、均等割額が4万7300円、所得割率は9.67%です(限度額は80万円)。ただし軽減措置や激変緩和措置などもあるので、一概には試算できません。

お住まいの自治体にシミュレーションサイトが用意されていることも多いので、一度試算してみるのもひとつです。

2.2 後期高齢者医療と国民健康保険の保険料を比較

参考までに、国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行した場合で試算してみましょう。

単身世帯で、年収が「年金収入のみで168万円」とします(厚生年金の平均月額である約14万円を参照)。

この結果、東京都における後期高齢者医療制度の保険料年額は2万700円となりました。

一方、東京都北区の場合で国民健康保険料を試算したところ、年間保険料は3万6980円となりました。

このケースでは、後期高齢者医療制度の方が安くなることがわかります。

しかし、後期高齢者医療制度加入前の制度が社会保険であった場合、保険料はもっと安いケースもあります。

さらに被扶養者だった方は保険料負担が0円だったので、この場合では後期高齢者医療制度の保険料が新たに発生することになります。

こうした方を対象にした軽減措置があるものの、後期高齢者医療制度に加入した方が保険料が高くなるケースもあることは知っておきましょう。

前述のとおり、後期高齢者医療制度の保険料は全国で異なることと、近年増加傾向にあることにも注意が必要です。