2024年11月11日、帝国データバンクは「「カレーライス物価指数」調査(2024年9月)」を発表しました。
カレーライス物価指数とは、カレーライスを1食作る際にかかるコスト(お米や野菜などの食費、水道光熱費など)がどれくらいかかるかを金額で表したもので、物価高の影響がどれだけあるのかを可視化できる指標になります。
昨年9月の時点では1食307円だったカレーライス物価指数ですが、今年の9月には1食364円にまで上昇しているという結果が出ました。
特に「令和の米騒動」と呼ばれるほどの米不足が影響したこともあり、ライスにかかる費用が前年の約1.5倍にまで膨れ上がっています。
現役世代の場合は、給料アップを目指して転職する、パートに出る回数を増やす、など収入を増やす手段はいくつかありますが、すでに老後生活を送っている方にとってはそれも難しいでしょう。
本記事では、現代のシニア世代がこうした環境下で月額どのくらいの年金収入で生活しているのか確認していきます。
1. 日本の「公的年金制度」の基本をおさらいしよう
日本の公的年金制度は、日本に住む全ての20歳以上60歳未満の人が「国民年金」に加入することを義務付けています。
学生や無職の人も、20歳に達すると自動的に国民年金に加入することになります。
会社員や公務員などは、国民年金だけでなく、厚生年金保険にも加入するため、厚生年金保険に加入している人は「国民年金」と「厚生年金」の両方を老後に受け取れます。
1.1 国民年金(基礎年金)の「保険料・老後の年金額」
- 保険料:毎年定められた金額を自身で納付(ただし、第2号・第3号被保険者は厚生年金制度により負担されるため、別途納付する必要はありません)。
- 老後の年金額:保険料の納付状況に基づき計算。40年間にわたって未納がなく全ての保険料を納付した場合に満額となり、未納や免除があればその分は減額。
1.2 厚生年金の「保険料・老後の年金額」
- 保険料:給与や賞与などの報酬額に基づいて決定され、勤務先と折半して負担(給与・賞与から天引き)
- 老後の年金額:保険料の納付状況と厚生年金保険に加入していた期間により算出
このように、保険料や年金額の決定方法は大きく異なるため、ご自身の年金加入状況は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を利用して確認しておくことをおすすめします。
次章では、現シニア世代の方が実際にどのくらいの年金を受け取っているのか確認していきましょう。