総務省統計局「2020年基準消費者物価指数 全国2024年(令和6年)11月分」によると、消費者物価指数の総合指数は「前年同月と比べ2.9%上昇」していることがわかりました。

物価が上昇した分、給料も上がればよいのですが、そういった兆しが見えずに家計が圧迫され、心穏やかではない日々をお過ごしの方も多いのではないでしょうか。

日々の生活において節約をしている方も多いと思いますが、物価上昇の影響によりあらゆるモノの価格が上がっているため、節約のみで生活に余裕を持たせることは難しい状況にあります。

そこで、少しでも資産を増やすための取り組みとして注目されているのが、資産運用です。

新NISAやiDeCoなどを活用する現役世代の方が、増加傾向にあります。

新NISAは、制度が新しくなって1年経過しており、旧NISAと比べより魅力的な制度になっています。

今回は「新NISA制度の改良ポイント」を4つ、わかりやすく解説していきます。

また、新NISAのつみたて投資枠を活用した場合、「毎月3万円×年率3%×30年間」でいくらになるのかシミュレーションした結果もご紹介しますので、ぜひ参考にご覧ください。

1. 【新NISA】旧NISAからの変更点とは?

【写真1枚目/全7枚】「新NISA」旧NISAからの変更点とは。2枚目/旧NISA制度の特徴をおさらい1/7

「新NISA」旧NISAからの変更点とは

出所:Yusuke Ide/istockphoto.com

旧NISA制度は非課税のメリットが大きいため人気があった制度ですが、新NISAではその内容がさらに改善され、魅力が一層増しています。

では、旧NISAと新NISAでは、具体的にどのような点が変更されたのでしょうか。

まずは、旧NISA制度を振り返りつつ、新NISAの注目すべきポイントを詳しく見ていきましょう。

1.1 旧NISAの制度をおさらい

まずは、旧NISA制度の内容をおさらいしておきましょう。

旧NISA制度の特徴をおさらい2/7

【写真1枚目/全6枚】旧NISA制度の概要をおさらい。2枚目/「新NISA制度」の概要をご紹介

出所:金融庁「NISAを知る」をもとにLIMO編集部作成

旧NISA制度は「一般NISA」と「つみたてNISA」の2つにわかれています。

旧NISA「一般NISA」

  • 年間非課税枠:120万円
  • 非課税保有期間:5年間
  • 投資可能商品:上場株式、投資信託等

旧NISA「つみたてNISA」

  • 年間非課税枠:40万円
  • 非課税保有期間:20年間
  • 投資可能商品:投資信託やETF

1.2 新NISA制度の内容を確認

次は、2024年1月から開始された「新NISA制度」のポイントを確認しましょう。

新NISA制度3/7

新NISA制度

出所:金融庁「NISAを知る」をもとにLIMO編集部作成

新NISA制度では「成長投資枠」と「つみたて投資枠」に変更され、これらは併用が可能となっています。

新NISA「成長投資枠」

  • 年間投資上限額:240万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:上場株式・投資信託など

新NISA「つみたて投資枠」

  • 年間投資上限額:120万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象商品:投資信託やETF

非課税保有限度額(総枠):1800万円(うち成長投資枠1200万円)※枠の再利用が可能

1.3 【新NISA制度】魅力を高めることとなった変更点とは?

新NISAと旧NISAの違いとは4/7

新NISAと旧NISAの違いとは

出所:Yusuke Ide/istockphoto.com

旧NISA制度と新NISA制度を比較した結果、魅力がさらに向上した変更点がいくつかあります。

その中でも特に注目すべき重要な4つの変更点をご紹介します。

  • 「成長投資枠」と「つみたて投資枠」が併用可能になる
  • 年間投資上限額が増える
  • 非課税保有限度額(総枠)が新設される
  • 非課税保有期間が無期限になる

旧NISAでは「一括投資」または「積立投資」のどちらかを選ぶ必要がありましたが、2024年からは両方を併用できるようになったため、限度額内でより効率的に資産を運用できるようになりました。

加えて、年間の投資上限額が変更され、一括投資では2倍、積立投資では3倍に増額されています。

特に積立投資に関しては、旧制度では月々約3万円が上限でしたが、新NISAでは年間120万円、つまり毎月10万円の積立が可能になりました。

さらに、これまで設定されていた非課税保有期間の制限が撤廃され、無期限で保有できるようになったため、長期的な投資にもより適した環境が整いました。

2. 新NISA「つみたて投資枠」で積立投資シミュレーション

2024年1月に始まった新NISAのつみたて投資枠を活用して積立投資を行った場合、資産の増加をどのように予測できるかシミュレーションしてみましょう。

シミュレーション条件は「月々3万円×年利3%×投資期間30年」です。

「毎月3万円×年利3%×投資期間30年」シミュレーション結果5/7

「毎月3万円×年利3%×投資期間30年」シミュレーション結果

出所:LIMO編集部作成

2.1 シミュレーション結果:積立投資「月3万円×年率3%×30年間」

元本・運用収益:総額

  • 開始:0円
  • 2年目:72万円・2万1085円:74万1085円
  • 4年目:144万円・8万7936円:152万7936円
  • 6年目:216万円・20万3382円:236万3382円
  • 8年目:288万円・37万422円:325万422円
  • 10年目:360万円・59万2243円:419万2243円
  • 12年目:432万円・87万2228円:519万2228円
  • 14年目:504万円・121万3969円:625万3969円
  • 16年目:576万円・162万1280円:738万1280円
  • 18年目:648万円・209万8210円:857万8210円
  • 20年目:720万円・264万9060円:984万9060円
  • 22年目:792万円・327万8393円:1119万8393円
  • 24年目:864万円・399万1058円:1263万1058円
  • 26年目:936万円・479万2199円:1415万2199円
  • 28年目:1008万円・568万7281円:1576万7281円
  • 30年目:1080万円・668万2107円:1748万2107円

30年間、毎月3万円を積立て、年率3%で運用した場合、最終的に総額1748万2107円(元本1080万円・利益668万2107円)となります。

もしNISA口座を利用していなければ、利益約668万円に対して20%の税金がかかります。

この場合、税金は約133万6000円となり、最終的な手取りは534万4000円となります。

NISAの最大のメリットはこの税金が非課税になる点であり、シミュレーション結果からも、このメリットの大きさが実感できるでしょう。

今回のシミュレーションは、NISA口座を利用した積立投資の例として参考にしましたが、実際の運用はこの通りにはいかないこともあります。

運用中は利益が大きく出る年もあれば、損失が出る年もあるでしょう。

このような変動を繰り返しながらも、長期間にわたって運用することで、リスクを分散し安定的に資産を増やしていくことができます。

上記をふまえ、焦らず、長期的な視点で積み立てを続けることが大切であると言えます。

3. まとめにかえて

新NISAで資産形成を目指す6/7

新NISAで資産形成を目指す

出所:y-studio/istockphoto.com

今回は、2024年1月から新しく変わった「新NISAの変更ポイント」や「新NISAで運用した場合のシミュレーション結果」について詳しく見ていきました。

あくまでシミュレーション結果ではありますが、毎月3万円の積立投資でも30年と長期間続けることで、約2000万円ほどの資産を準備できる結果となりました。

「新NISAを活用した資産運用をはじめるかどうか悩んでいる」という方のなかには、毎月の家計に余裕がないという方もいるでしょう。

資産運用で大切なのは、時間を味方につけて複利の効果を得るために「できるだけ投資期間を長く確保する」ことです。

金額的な問題で新NISAをはじめるのか悩んでいる方は、少額でもよいのでコツコツと将来に向けて積立投資をはじめることを検討してみるとよいでしょう。

これまでのつみたてNISAでは非課税保有期間が20年と制限がありましたが、新NISAは非課税保有期間が無期限となっているため、長期での運用が可能です。

たとえば、現役時代から資産運用をはじめて、定年で積立投資はストップし、老後は運用だけを続けて、なるべく資産の寿命を延ばすという方法もあります。

まずは家計の状況を把握し、余剰資金を用いて将来に向けた準備を少しずつでも進めていけるとよいですね。

4. 新NISAのよくあるご質問(FAQ)

新NISAの疑問を解消しよう7/7

新NISAの疑問を解消しよう

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4.1 Q1.非課税保有限度額が1800万円ですが、つみたて投資枠だけ、もしくは成長投資枠だけで使い切ることはできますか?

つみたて投資枠だけで1800万円を使い切ることはできます。

成長投資枠だけで使い切ることも可能ですが、成長投資枠の非課税保有限度額は1200万円となっています。

4.2 Q2.非課税保有限度額は買付額ベースで管理されますか?

「買付け残高(簿価残高)」で管理されます。

また、NISA口座内の商品を売却した場合には、その商品の簿価分の非課税枠が再利用できるようになります。

4.3 Q3.非課税保有限度額を管理するとのことですが、金融機関は変更できますか?.

金融機関は変更できます。

非課税保有限度額については国税庁において一括管理を行います。

なお、金融機関変更の方法やスケジュールはご利用の金融機関で事前に確認しましょう。

参考資料