2024年11月22日、総務省統計局が「2020年基準消費者物価指数全国2024年(令和6年)10月分」を発表しました。

この結果によると、総合指数は前年度に比べると2.3%の上昇となっています。年々、物価の影響で生活が圧迫されているのだなと感じる方も多いのではないでしょうか。

筆者は前職で金融機関に勤務していましたが、「少しでも節約しないと生活が厳しい」というお客様も多数いらっしゃいました。

特に、年金で生活している高齢者の方にいたっては、「多少節約してもやっぱり年金だけじゃ生活費足りないよね」とおっしゃる方も多いものでした。

「年金が少ない」という話はニュース等でもよく耳にしますし、実際、多くの金融機関などで「年金では生活できないので今のうちから老後資金の準備を!」と声掛けをされた経験がある現役世代の方も多いのではないでしょうか。

では、実際にいまのシニアが受け取っている年金額はいくらぐらいなのでしょう。

今回は、年齢別に受け取っている年金の受給額についてみていきましょう。

1. 「国民年金・厚生年金」基本を整理!公的年金制度は2階建て

【写真全7枚中1枚目】厚生年金と国民年金の仕組み、2枚目から年金一覧表!

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

日本の公的年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2種類の年金から成り立ちます。そのため「2階建て構造」などと呼ばれますね。

最初にそれぞれの年金制度の基本を整理しておきましょう。

1.1 1階部分:国民年金

1階部分に当たる国民年金は、基礎年金とも呼ばれる年金のベース部分。原則として、国籍問わず、日本に住む20歳から60歳未満のすべての人が加入対象です。

国民年金保険料は全員一律(※1)で、480カ月の全期間納付した場合、老後に満額の老齢基礎年金(※2)が受け取れます。

※2024年度の月額

  • ※1 国民年金保険料:1万6980円
  • ※2 老齢基礎年金の満額:6万8000円

1.2 2階部分:厚生年金

2階部分に当たる厚生年金は、会社員や公務員、パートやアルバイトなどで一定要件を満たした人が、国民年金に上乗せする形で加入する年金。収入に応じて決められた保険料を、給与天引きで勤務先と折半して納付します。

老後の年金額は、納付済の保険料で決まるため、「年金加入月数と、その期間の収入」によって大きな個人差が出ます。基本的には「多く稼ぎ(上限あり)、長く働いた人」ほど年金額が増えるしくみです。

次では、今のシニア世代が受け取る厚生年金と国民年金の「年齢別平均年金月額」を見ていきます。