政府は、2024年12月に健康保険証を「マイナ保険証」に一本化することを決定しました。
従来の健康保険証の新規発行が停止され、現在お使いの健康保険証も今年12月2日から1年後、または次回の有効期限までしか利用できません。
しかし、現状ではマイナンバーカードやマイナ保険証に対して抵抗のある方も多いというのが現状です。
当記事では、マイナ保険証の導入によるメリット・デメリットやマイナンバーカードをまだ作っていない方向けの対応についてまとめましたので、参考にしてください。
1. マイナ保険証の導入状況は?
2024年も残すところあと3ヶ月あまりですが、今年度末にはもう従来の健康保険証の新規発行は停止されます。使えなくなるのはまだ先とはいえ、話についていけないという方も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、マイナ保険証の普及状況はまだまだ「一本化しても大丈夫」という状態には追いついていません。デジタル庁の調査によると、マイナ保険証を利用している人の割合はわずか12.43%に留まります。(2024年8月時点)
マイナ保険証が十分に普及できていない状態で一本化を図ったとしても、抵抗があるのは当然のことでしょう。
まずは「マイナ保険証ってどういうもの?」という疑問を持っている方に向けて、メリット・デメリットを紹介していきます。
2. マイナ保険証の導入によるメリット
マイナ保険証を導入すれば、利便性の向上につながることは間違いありません。まずは主なメリットを2つ紹介します。
- データに基づく医療を受けやすくなる
- 高額療養費や医療費控除などの手続きが楽になる
3. データに基づく医療を受けやすくなる
マイナ保険証を導入することで、過去の受診歴や処方された薬の種類などが簡単にわかります。医者に口頭で伝える必要もないため、誰でも同質の医療を平等に受けられるようになるでしょう。
加えて、高齢者の場合は過去に処方された薬、および現在服用中の薬などについて正確に把握するのは難しいです。マイナ保険証があれば、頑張って覚えたりメモしたりしなくても、今までのデータで全て伝わります。
また、個人情報が詰まっているとはいえ、マイナ保険証は不正に情報を抜き出されないよう徹底的に配慮されています。セキュリティ上の心配はほぼないと考えてよいでしょう。
4. 高額療養費や医療費控除などの手続きが楽になる
日本には、医療費が一定以上を超えた場合に自己負担額を抑えられる「高額療養費」と呼ばれる制度があります。具体的な自己負担額は、所得などによって異なります。
今までは、医療費が自己負担限度額を超えた場合は事前申請するか、一時的な立て替えが必要でした。しかし、マイナ保険証を導入すれば、申請なしでそのまま高額療養費制度の恩恵を受けられます。
医療費控除についても、今までは控除を受けるために明細書を作成し、確定申告の際に添付しなければなりませんでした。マイナ保険証なら、マイナポータルと「e-Tax」の連携によりデータを自動入力してもらえます。
難しそうな話ですが、とりあえずは「面倒な書類作成がなくなる」という認識で問題ありません。
5. マイナ保険証の導入によるデメリット
マイナ保険証は一見便利ですが、一体化にあたり問題視されている部分もいくつかあります。
- 対応していない医療機関もある
- 手続きが煩雑
6. 対応していない医療機関もある
マイナ保険証にまだ対応していない医療機関もあります。厚生労働省の調査によると、マイナ保険証の導入に必要な「オンライン資格確認システム」を導入している医療機関は2024年9月29日時点で91.6%。
もしご利用の医療機関でマイナ保険証が使えなければ、結局は健康保険証が必要になるので単なる二度手間です。早急な普及状況の改善が望まれます。
7. 手続きが煩雑
マイナ保険証の発行手続きは、マイナンバーカードをまだ取得していない方にとっては煩雑だといわざるを得ません。
まずマイナンバーカードを新規発行したのち、マイナ保険証として登録しなければならないという二重の手続きが必要になるためです。
マイナンバーカードの発行方法には、主に3種類あります。
- オンライン
- 郵便
- 証明写真機
インターネット環境の充実していない高齢者、または障がい者世帯にとってオンラインでは手続きしにくいと考えられます。また、体に問題を抱えている方は証明写真機に行くだけでも負担に感じてしまう可能性があります。
人によっては、周囲の人に手伝ってもらいながら移行手続きを進める必要があるでしょう。
8. まとめにかえて
2024年の12月からマイナ保険証への移行が開始されます。現在お使いの健康保険証は12月2日から最長1年ほどで使えなくなってしまうため、マイナンバーカードの発行は必須です。
マイナンバーカードは、駅などに設定されている証明写真機から簡単に発行できます。また、健康保険証として登録する際には全国のセブン-イレブンに設置されているATMからわずか数分ほどで手続きできます。
マイナンバーカードさえ発行できれば、マイナ保険証への登録手続きは簡単です。ちょっとだけ重い腰を上げて、一足先にマイナ保険証への移行手続きを済ませてしまいましょう。
参考資料
- 厚生労働省 保険局「マイナ保険証の利用促進等について」
- 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」
- 厚生労働省「オンライン資格確認の都道府県別導入状況について」
- マイナンバーカード総合サイト「マイナ保険証を利用するメリット」
北川 和哉