株式会社帝国データバンクは2024年11月11日、生鮮食品などの値上げを加味した食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算し分析を行いました。
「カレーライス物価指数」とは、カレーライスを1食分作る際のお米やお肉などの材料費、ガスや電気代などの水道光熱費がいくらかかるかを表した数値のことを指します。
調査結果によれば、カレーライス1食あたりのトータルコストは364円と6カ月連続で最高値を更新する結果となっています。
また、トータルコストが360円を突破するのは過去10年において初めてのことであり、昨今の物価高が強く影響していると感じますよね。
筆者も前職で金融機関の営業社員としてお客様と接していた時に、物価高で家計が厳しいという話題について話す機会は多々ありました。
しかし、最近の物価高はこれまでに増して、より家計を圧迫しているなと感じていますが、同じように感じる読者の方も多いのではないでしょうか。
現役世代の方の中には、このまま物価高が続いて年金生活になると厳しいかもと不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、いまのシニアの年金事情を見ていきながら老後の備えについて考えていきたいと思います。
1. 【厚生年金と国民年金】公的年金の仕組みをおさらい
シニア世代にとってなくてはならない「公的年金制度」。
しかし、支給額が少ないと感じる人や、国民年金の保険料が年々上がっていることに不安を感じる人も多くなっているようです。
日本の年金制度とはどのような仕組みになっているか、見ていきましょう。
「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建てとなっています。
1.1 1階部分:国民年金
- 日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則加入
- 保険料は全員一律
- 40年間欠かさず納めれば満額が受け取れる
1.2 2階部分:厚生年金
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 保険料は収入に応じて(上限あり)変わる
- 加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい
さらに近年では「個人年金保険」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などの制度を活用して、私的年金(3階部分)を準備する人が増えています。
これにより、公的年金だけでは不足する老後の生活費を補うことができます。
厚生年金の受給額は、現役時代の保険料や加入期間によって大きく変わりますが、厚生年金が現役時代の生活水準をある程度維持するための重要な収入源となることに変わりはありません。
続いて、厚生年金の平均年金月額がどれくらいなのか、見ていきましょう。