2. 住民税非課税世帯の割合を「30歳代~80歳代」で比較

2024年7月5日に公表された厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」より、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)を紹介します。

【写真1枚目/全3枚】住民税非課税世帯の年代別割合。高齢者の貯蓄は多い?少ない?次の写真でチェック

【一覧表】住民税非課税世帯の年代別割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 30歳代:12.0%
  • 40歳代:10.0%
  • 50歳代:13.6%
  • 60歳代:21.7%
  • 70歳代:35.9%
  • 80歳代:52.5%
  • 65歳以上(再掲):38.1%
  • 75歳以上(再掲):49.1%

全年代の総数で見ると、調査対象世帯4674世帯のうち、住民税非課税世帯は1279世帯で27.4%を占めています。

2.1 高齢者世帯の状況

65歳以上の高齢者世帯に絞ってみると、対象となった2504世帯のうち、住民税が非課税の世帯は955世帯で、割合は38.1%です。

さらに75歳以上に絞ると、非課税世帯の割合は49.1%と、約半数にまで上ります。

この結果から、高齢者世帯のうち約4割が住民税を支払っていないことがわかります。

他の年代と比べても、非課税世帯の数や割合が高くなっていますね。

2.2 全年代における65歳以上の非課税世帯

また、全年代における65歳以上の住民税非課税世帯の割合も確認してみましょう。

調査対象となった4674世帯のうち、65歳以上で住民税が非課税の世帯は955世帯で、全体の20.4%を占めています。

このように、65歳以上の高齢者世帯は他の年代に比べて住民税が非課税となる割合が高いことがわかります。

2.3 高齢者世帯が住民税非課税世帯に該当しやすい理由

  • 収入が減る
  • 住民税非課税世帯の目安となる「所得45万円」は、給与収入より年金収入のほうが高くなる
  • 遺族年金は非課税

「年金を受給しはじめる年齢になると、生活が厳しくなるのでは?」と思っている方がいるかもしれません。

しかし、年金生活が厳しいと感じる世帯がいる一方で、住民税非課税世帯であってもゆとりある生活をされている世帯もいます。

これは、住民税非課税世帯の要件に貯蓄額が含まれていないためです。

そこで、高齢者世帯の貯蓄事情が気になる方も多いでしょう。

次の章では、さらに詳しく年代別の住民税非課税世帯の割合について見ていきます。