4. 老後に向けた資金づくりを現役のうちから始めよう

ここまで年金の平均受給額を確認してきましたが、医療費や交際費などの予期せぬ支出を考慮すると、公的年金だけに頼って長期のセカンドライフを送ることはリスクが伴います。

では、老後に向けた資金準備を始めるには、何から取り組めば良いのでしょうか。

4.1 老後対策1:年金受給額を把握する

まずは、自分が将来受け取ることができる年金の見込み額を確認しておきましょう。

年金見込額は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を利用すれば簡単にチェックできます。

また、勤務先の退職金のおおよその金額を把握することも、老後の資金計画を立てる上で非常に役立ちます。

理想とするセカンドライフの過ごし方によって必要な資金は異なりますが、年金や退職金だけでは不足することが明らかであれば、今後の貯蓄目標を具体的に設定することができるでしょう。

4.2 老後対策2:資産運用を活用する

現在の低金利環境では、銀行預金だけで資産を増やすことは難しいですが、長期にわたってコツコツと資産運用を行うことで、資産の増加が期待できます。

ただし、資産運用には必ずしも利益が伴うわけではなく、元本割れのリスクがあることに留意する必要があります。

資産運用の方法には、NISAやiDeCo、個人年金、変額保険など多くの選択肢があります。

各手法にはそれぞれ異なる仕組みや特徴があるため、自分のライフスタイルや価値観を考慮して、最適な手段を選ぶことが重要です。

5. 老後に向けた資産形成

本日は、厚生年金と国民年金の平均受給額について確認してきましたが、皆様はどのように感じられましたか。実際に年金だけで生活することの難しさを改めて実感した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

老後資金を準備するための方法として、銀行預金を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、現在の低金利環境では、預金に頼るだけでは資産が大きく増えることは期待できません。将来的に必要な金額を見積もったうえで、「預金だけで十分」と思える方はその選択を取るのも良いでしょう。ただし、少しでも早く資金準備を始めることで、より安心感を得られる可能性が高まります。

例えば、可能な範囲で運用を取り入れてみることで、老後資金の準備を効率化できるかもしれません。資産運用には「単利」と「複利」という運用の考え方があります。そのうち複利は、得られた利息を再び運用に回すことで、利息にも利息がつく仕組みを活用します。この仕組みにより、長期的な運用では雪だるま式に資産が増加する効果が期待できます。

複利運用を取り入れることで、運用期間が長ければ長いほど加速度的に資産が増える可能性があります。この「複利の力」を活用することで、将来の資金準備をより効率的に進めることができるのではないでしょうか。

早めに準備を始め、適切な運用方法を見つけることで、老後の安心を手に入れる一助となるかもしれません。ぜひ、この考え方を参考にしていただければと思います。

参考資料

足立 祐一