5. 優遇措置を活用するにあたっての注意点
ここまで、非課税世帯の優遇措置について説明をしましたが、優遇措置を活用するにあたって注意点も存在します。
5.1 年度ごとの判定であること
住民税非課税の判定は前年所得によっておこなわれるため、当然ながら毎年変更される可能性があります。
そのため、前年は非課税であっても本年は課税世帯となる可能性もあり、メリットを享受できなくなることもあるので、注意が必要です。
5.2 他の制度への影響
住民税非課税世帯であることが、国民健康保険や国民年金の保険料にも影響を与える場合があります。
例えば国民年金では、所得金額が少ない場合に一部の支払いが免除される制度がありますが、その制度を活用すると、将来受け取る年金額も原則として減少するので注意が必要です。
6. おわりに
住民税非課税世帯に対しては、税負担という経済的負担の軽減だけでなく、福祉サービス、医療、教育など、様々な面で優遇措置が設けられています。
物価の上昇や急な出費などによって生活が困窮することも多い低所得世帯にとって、これらは生活の質を維持・向上させるための重要な支援となります。
優遇措置の内容は市区町村によって異なる場合もあります。そのため、住民税非課税世帯に該当をしたときには、まず自身が居住する市区町村でどのような措置が設けられているのかを確認しましょう。
用意されているメリットを漏れなく享受することで、生活の助けになることでしょう。
※金額や要件などは自治体等によって異なるので、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
- 厚生労働省 「令和5年 国民生活基礎調査」
- 東京主税局「個人住民税」
- 新潟市「新潟市介護保険サービスガイド(2024年度版)「負担限度額認定(53・54ページ)」
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
斎藤 彩菜