4. 住民税非課税世帯となった場合のおもなメリット4つ
住民税の非課税世帯は、一般的に生活が苦しい世帯だと考えられるため、様々な優遇措置が用意されています。
次に、非課税世帯となった場合に享受できるメリットについて説明していきます。
4.1 介護サービスの優遇措置
介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)では、施設やショートステイを利用した際の利用者負担額を、所得金額によって段階分けしています。
住民税非課税世帯では、課税世帯と比較して負担額が低くなるような段階分けとなっており、介護サービスを利用する際の負担を減らすことができます。
※詳細な要件は市区町村によって異なる点もありますが、金額や方針としては厚生労働省によって示されており、大きく異なることはありません。
4.2 各種公的保険料の優遇措置
国や地方自治体による公的な保険である「国民年金」「国民健康保険」「介護保険」「後期高齢者医療保険」の保険料についても、所得が一定額以下である場合支払いの免除や軽減措置が講じられています。
これらの保険料においては、「住民税が非課税である」こと自体が要件となってはいないものの、所得が一定のラインよりも下回る場合に減免の申請をすることができたり、負担額が軽減されたりする制度があります。
4.3 医療費負担の軽減措置
医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に超過額について支払いされる「高額療養費」制度、および世帯あたりの医療保険と介護保険の自己負担額を合計して基準額を超えた場合に超えた金額を支給する制度である「高額介護合算療養費」制度の2つでも、住民税非課税世帯に対する優遇措置があります。
自己負担額の上限は年齢や所得金額などに応じて決められており、住民税非課税世帯はその区分を分ける一つのラインになっています。
住民税非課税世帯は特に高齢の世帯に多く見られるため、医療費が増えると考えられる年代です。優遇措置を活用することで生活にとって大きな助けになるはずです。
4.4 学費支援や保育料の無償化
住民税非課税世帯は教育や育児の面でも優遇措置が用意されています。
住民税非課税世帯の大学生は、一定の要件を満たすことで一定の支援金を受給することが可能です。
また、住民税非課税世帯の育児について、幼稚園、保育所、認定こども園等の利用料が0歳から2歳までの間は無料となります。
これらの制度を活用することにより、住民税非課税世帯であっても子どもを養育するハードルを下げることができます。