日本では、円安ドル高の影響により、特に食品を中心に物価が高騰し続けています。日本は食料自給率が低いため、輸入品の価格上昇が家計に直接的な負担を与えています。

一方で、新型コロナウイルスに関するニュースが減少し、外国人観光客が再び日本を訪れるようになりました。特に都市部では、コロナ前よりも観光客が増えたように感じられるほどです。現在の為替レートでは、外国人にとって日本の物価が相対的に安く映り、買い物や観光を楽しむ動機がさらに高まっていると言えるでしょう。

この円安の状況下で、「日本にはもうお金持ちはいなくなったのでは?」という声を耳にすることもあります。しかし、実際には日本国内にも富裕層は確かに存在しており、その数はむしろ増加傾向にあると言われています。

本記事では、日本における富裕層の人口規模を具体的に解説するとともに、富裕層のカード利用データから彼らの消費傾向や資産管理の方法について詳しく探っていきます。富裕層の行動や考え方を知ることで、一般の私たちの生活にも参考になるヒントが見つかるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。

1. 富裕層、日本にどのくらい存在する?

物価が上がり、生活苦を訴える人が増える一方で、なんと日本では富裕層が増加しています。

では、その富裕層の知られざる実態を確認していきましょう。

【写真1枚目/全4枚】日本の富裕層の割合。2枚目以降では富裕層のカード利用金額が多かったカテゴリを図表でチェック!

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」

野村総合研究所のデータによると、日本には純金融資産が1億円以上5億円未満の「富裕層」と、5億円以上の「超富裕層」を合わせると、148万5000世帯が存在します。

割合にして日本全体の約2%が、いわゆる富裕層にあたります。

1.1 富裕層の世帯数と保有資産規模

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

実は今、この富裕層の数は増え続けています。

資産を保有する人々は、資産価値の上昇によってさらに富を蓄積しているからと考えられます。

一方で、一般家庭の生活が苦しい背景には、賃金の停滞や物価の上昇があります。

このように、富裕層の増加と一般家庭の生活苦は、経済の二極化を象徴しています。

将来的には、資産の偏りがさらに進むかもしれず、社会全体での格差是正が重要な課題となるかもしれません。