老後に受け取ることができる公的年金は、実際どの程度なのか。すでに受け取られている受給世帯の人はもとより、将来受け取る予定の現役世帯の人にとっても関心の高いテーマかと思います。

また、エネルギーや食料を輸入に頼ることの多い日本。最近では円安も絡んだ物価高の影響により、様々なものの値段が継続的に上がってきています。実際生活が苦しくなったと感じる読者も増えているのではないでしょうか。

公表されている消費者物価指数以上に負担を感じている家庭も多く、身近な食費や水道光熱費の値上がりの影響が強いものと予想されます。

総務省が公表した2024年9月の消費者物価指数が「2.5%」ですから、実際の肌間とのギャップを感じてもおかしくないのかもしれません。

年金受給世帯にとっては、決まった年金収入の中で、支出でもメインとなる食費や光熱費が日々増えていく現状から、生活を切り詰めたり、リタイア後もパートなどの収入で凌いでいるという声が多く聞かれ始めました。

このような状況も踏まえ、本記事では、改めて現在厚生年金を受け取っている人の受給額を詳しく見ていくとともに、半数以上が年金月額15万未満という実態も紹介していきます。

さらに、低年金世帯を対象とした年金生活者支援給付金の概要や対象者、金額についても見ていきましょう。

記事後半では、現役世代の読者に向け、老後に向けた準備をどうしていくべきかファイナンシャルアドバイザーの立場からアドバイスしていきます。

1. 半数以上のシニアが厚生年金「月額15万円以上」を受け取っていない?

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額は14万3973円です(この金額には国民年金も含まれています)。

厚生年金は比較的手厚い印象を持たれることが多いですが、国民年金を合わせた金額が14万円台であることに「思っていたよりも少ない」と感じる人もいるでしょう。

また、厚生年金の受給額は現役時代の収入や加入期間に左右されるため、受給額には大きな個人差があり、実際には15万円以上を受け取っている人は少数派です。

同資料によると、厚生年金「月額15万円以上」を受給する人の割合は次のようになっています。